全労協/ ILO総会 ハラスメント条約採択 / 新聞 2019年7月号

全労協ILO総会 ハラスメント条約採択 / 新聞 2019年7月号

ILO総会
ハラスメント条約採択
批准に向けて声を


 今年創立一〇〇年を迎えるILO総会六月二十一日「仕事の場における暴力とハラスメント」に関する条約と
勧告が採択された。条約は加盟国に暴力・ハラスメントを禁止し、使用者に防止措置を求める法整備や被害者の保護・救済を義務づける。連合、日本政府は賛改票を投じたが、経団連は棄権したという(六月二十二日「朝日新聞」)。

 昨年のILO総会で日本政政府は修正案を出すなど後向きの姿勢だったが、昨秋からの女性活躍・ハラスメント関連法の労政蕃や国会審議をへて賛成を表明したのは良かった。だが仕事の場に最も影響のある経団連が世界の流れに背を向けていていいのだろうか。

 #MeToo運動が世界に広がり、今日本では#KuToo(靴・苦痛)運動が拡がっている。

 健康に悪いパンプスを女性に履くよう求める企業があり、就職活動中の女学生も重い鞄を抱えて歩く姿は痛々しい。六月五日の衆議院厚生労働委員会で根本厚生労働大臣は「社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲」での着用を認めるかのような答弁をしたが、女性差別は社会通念や慣習、慣行を盾に続けられてきたことを忘れないでほしい。

 女性活躍推進・ハラスメント関連法の参院付帯決議二〇はILO条約一勧告の採択を支持し、条約成立後には批准にむけ検討を行うこと、二一はILO総会等の動向も踏まえつつ、更なる制度改正にむけ五年を侍たずに必要に応じた検討の開始を求めている。全てのハラスメントは人権侵害であると声を上げていこう。