全労協/ ベトナム実習生支援を / 新聞 2019年2月号


●全国一般全国協・きょうとユニオン 
ベトナム実習生支援を

昨年の六月十七日、ひとりのベトナム人女性リンさん(仮名)がきょうとユニオンを訪問してきました。京都府福知山市郊外にある縫製工場ヨーク㈱で働いている技能実習生でした。

彼女の訴えは、「朝八時〜夜二三時までの長時間労働が月曜から土曜まで続き、体がきつい。給料も最低賃金を下回る基本給、一日八時間を超える残業は一時間当たり一年目は四〇〇円、二年目は五〇〇円しか払われていない」というものでした。また、「縫製工場に併設されたプレハブ寮には今年初めまでは九人実習生がいたが、狭くてつらかった。今(六月)は六人だが、二カ月後にはまた三人の新たな実習生が来るので厳しくなる」と。今年三年目を迎える実習生の一人は二年目に結核を発症も四カ月入院したと言います。狭い寮での共同生活で感染拡大も心配です。

ヨークでは、実習生のパスポートや保険証、年金手帳を取り上げ、帰国時に返還すると言う約束で賃金から強制貯金をさせていました。また毎日五時間、月百時間を超える残業をさせていました。

昨年七月にユニオンから申入れした直後にこれらは解消されました。しかし、実習生は文句も言えない、逃げ出すこともできない境遇に置かれたままでした。

きょうとユニオンは実習生六人の委任を受けて、労働基準監督署に未払い賃金の申告を行いました。ところが、会社はリンさん以外の五人を切り崩し、監督署に対して知らぬ存ぜぬの証言をさせ、「長時間労働や未払い賃金などは一切ない。交渉もしない。文句があるなら裁判でもすればいい」とうそぶいています。

リンさんは九月にヨークを脱出し、現在は別の監理団体に移籍して新しい職場で技能実習生として働いています。リンさんときょうとユニオンは、この問題の解決のために、裁判を含めて闘う事を決議しました。