3・26韓国サンケン労組地域デモ / 全労協新聞 2017年5月号

3・26韓国サンケン労組地域デモ / 全労協新聞 2017年5月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より



3・26韓国サンケン労組地域デモ
雨の中200人がデモ



三月二十六日、埼玉県志木市の三軒屋公園にて、韓国サンケン労組と韓国サンケン労組を支援する会、韓国からの争議団と連帯する埼玉の集い実行委が主催し、サンケン電気本社(埼玉県新座市)に解雇撤回を求める集会と地域デモを行い、雨のなかを二〇〇人を超える労組・組合員と地元市民たちが駆けつけた。

サンケン電気本社の一〇〇%子会社である韓国サンケン電気は、昨年九月に生産部門の労働者三四人全員を整理解雇した。韓国サンケン労組は日本遠征団を派遣し、毎朝本社前で「解雇撤回」を訴え続け一八〇日を超え、昨年十一月には「支援する会」が結成された。

集会では、韓国サンケン労組を支援する会共同代表の中村宗一さんと、韓国からの争議団と連帯する埼玉の集い実行委の坂本俊さんが主催者挨拶を行い、参加者を代表し東京全労協大森進議長と、地域から朝霞市議の田辺淳議員が発言した。最後に韓国サンケン労組日本遠征団三人を代表してキム・ウニョンさんが闘う決意を表明してデモに出発した。

大きく地域に訴えたデモの最後は、全労協中岡事務局長がまとめの発言と団結ガンバローで締めくくった。






韓国サンケン労組
キム・ウニョン
必ず勝利する!



日本のサンケン電気㈱が一〇〇%出資して設立した韓国サンケンで働いていた私たちは、韓国に家族を残して、ここ日本に来ている。

私たちは二〇一六年九月三十日付で生産部門廃止と生産職全員の解雇を言い渡された。韓国サンケンは経営方針や生産計画、人事や残業に至るまで、本社の承認や報告が必要だった。一九七〇年代から四三年間、様々な特恵を受けて韓国で事業を行ってきたサンケン電気は三〇年以上の労使協定を無視して不当な解雇を行った。

私たちは直ちに会社側との団交を要求し、多くの市民に解雇撤回の署名や街頭宣伝を行った。韓国では国会議員や自治体議員、また自治体でも仲裁に乗り出したが、会社側はことごとく応じなかった。

私たちが本社との話し合いを求め日本への遠征闘争を決行し、既に一八〇日が過ぎた。言葉も分からず生活環境も全く異なり、冬はあまりにも寒くて暗かった。家族への恋しさをつのらせながら辛い闘いを行ってきた。私たちに昨年末、一筋の光が射した。

それは地労委での「解雇は不当」判定と、「解雇者の全員原職復帰と未払賃金を支払え」という命令だ。しかし、会社側は命令を不服として中労委に申立て、私たちは闘いを続けざるを得なかった。

四月十一日、中労委では和解を勧告した。和解とは、過ちを犯した者が過ちを認めて謝罪し、無念の思いの側がその過ちを赦し、敵対関係を解消し新たに出発することだろう。サンケン電気は韓国の労働者に謝罪し、解決に乗り出すべきだ。もうこれ以上、不当解雇で必死に闘い続けた労働者に傷を負わせてはならない。

解雇が撤回され工場に復職する日には、にっこり笑って家族の元に帰るだろう。

私たちの闘いの初めから片時も離れずに連帯と支持、暖かい思いやりで私たちの孤独を慰め、そして共に闘ってくれた日本の労働組合の皆さん、市民団体の皆さんのありがたさは身に染みる。一緒に寄り添う日本の方々がいなければ、私たちは日本での解雇撤回闘争を行うことは出来なかっただろう。皆さんに勝利で応えたい。必ず勝利して!