雇用・労働条件改善し図書館を護ろう / 全労協新聞 2021年5月号

雇用・労働条件改善し図書館を護ろう 全労協新聞 2021年5月号

 


#全労協 

コロナ下で働き闘う労働者・労働組合

 

 

練馬区立図書館専門員労働組合

雇用・労働条件改善し図書館を護ろう

 

 私たちは練馬区公共図書館で働く会計年度任用職員の図書館司書で構成する労働組合です。練馬区立図書館では一九八八年に最初の非常勤職員が採用され、図害館専門員制度(当時の名称は「図書館協力員」)としてはじまりました。

 図書館は、地域に根差し、誰もが平等に情報にアクセスできる、市民生活を支える基盤ですが、図書館の現場の多くは不安定な雇用条件のもと、低賃金で働く非正規の司書によって支えられています。私たちも練馬区公共図書館で採用された司書として、区の常勤職員とともに、その専門性を活かして三十年以上図書館運営の維持向上と発展のために貢献してきました。

 それにも関わらず、二〇一八年七月に、区側から石神井図書館・練馬図書館への指定管理者制度導入についての提案があり、図書館専門員三十二人の働く場が奪われそうになりました。

 その際に団体交渉に臨むにあたって自治労本部を始めとするさまざまな労働組合、団体のご支援を頂いて、練馬区公共図書館を守る運動を広げていくために、練馬全労協への加盟を決めました。区側へのストライキ通告を背景に図書館を取り巻く状況が厳しさを増すなかで、多くのご支援を頂きながら学習決起集会を行い、団結を深め、何度も協議や交渉を重ねた結果として、図書館専門員がカウンター業務に就くことの重要性を当局に認めさせ、カウンター業務を含む図書館運営に携わっていくことを確認し、ストライキを回避し妥結に至ることとなりました。

 しかし現在、妥結の条件の内の一つであった筈の『図書館専門員全員がカウンター業務を含む図書館業務に携わっていくこと』が当局により覆されようとしています。私たちにとってカウンター業務も、レファレンスや選書、除籍作業、子供たちへのお話会等も、図書館業務であり大切な仕事です、そしてこれらはひとつながりであると考えています。

 カウンターに立つ事は直接、利用者の要望に接する窓口となる図書館の重要な業務です。今後も区側と交渉を積み重ね、私たちの業務を護りたいと思います。その事が、区民と共に教育・文化を育み、継承されてきた練馬区の財産である区立図書館を護り、より良い未来のために雇用不安・労働条件の改善を目指すことにつながると信じて活動をしていきます。