全労協/ 東京都練馬区立図書館司書がストライキを構える / 新聞 2019年2月号

全労協東京都練馬区立図書館司書がストライキを構える / 新聞 2019年2月号


19けんり春闘勝利に向けて!


●東京都練馬区立図書館司書がストライキを構える

図書館への指定管理者制度
導入による雇用の危機と闘う

練馬区立図書館専門員労働組合 特別執行委員 三澤 昌樹



 昨年十二月練馬区立図書館専門員労働組合(以下図書館専門員労組)は、石神井図書館と錬馬図書館の直営両館への指定管理者制度導入提案に対し、提案の撤回、公立図書館への雇用の確保を要求して二時間二波ストライキを構え闘いました。

 この闘いは非正規職員がストライキということで注目を集めたかNHK、朝日、読売など多くのメディアでも取り上げられました。闘いは年を越え、指定管理制度の導入をやめさせることはできませんでしたか、公共図書館での全員の雇用の継続と練馬区の図書館の水準を維持する足場を築くことができ、一月二十一日に提案を受け入れる判断をしました。

 私たち図書館専門員労組は練馬区立図書館で働く非常勤職員の図書館専門員、主任図書館専門員(以下専門員)五七人の組合です。区の五年雇用止や雇用や働
き方に関わる攻撃にこれまでも度々さらされてきました。その結果練馬区立図書館十二館の内九館は民間の指定管理者制度による運営に移り、残りの直営三館の
うち二館のみに専門員が配置されています。

 直営三館による現行の運営体制は、練馬区立図書館指定管理者制度を導入するに際して、行政が責任を持って図書館運営を行うために不可欠なものとして区
が提示したものです。それにも関わらす、「現行の運営に何ら問題はない」としながら「『民間でできるものは民間で』が区の方針」「時代か変わった」と、「練馬区の図書館はこれではダメになる」という専門員労組の主張に答えませんでした。

 争点は、図書館専門員の「スキルに引き続き期待する」としながら、そのスキルアップを図るために不可欠な利用者との接点の場であるカウンター業務から図書館専門員を排除することにありました。最後まで直営で残る光が丘図書館は力ウンターが既に民間委託されています。指定管理館の運営に対する区のチェックも、区立図書館としての水準の統一のためのマニュアル作成も、現場を知らなければできません。今回の問題の一つはこうした練馬区の図書館の今後のあり方に関わる点でした。

 もう一つは雇用問題です。区は「解雇はしない」としつつ、公立図書館で働かせないという提案でした。専門員は公立図書館で働くために図書館専門員になったので他の非常勤職になるためではありません。解雇そのものです。

 これまでの民間委託ではまだ練馬区の他の図書館で働くという逃げ道がありましたが今回は専門員労組にとって後がありませんでした。

 交渉が暗礁に乗り上げる中、専門員労組は「出来ることは何でもしよう」と、交渉と並行し、議会への陳情、ロピー活動、署名等による区民への働きかけなどを行い、区に対して提案撤回要求を出し、回答次第でストライキも辞せずと闘ってきました。

 こうした取り組みの結果、区からカウンターの必要性を認め、光が丘図書館のカウンターに専門員を配置するとの回答を得ることができました。専門員労組はこれを一歩前進としストライキの延期を決定しましたが、この時点では全員が光が丘図書館に行けるかは明らかにされず、引き続き交渉を継続して一月二十一日の大綱妥結に至っています。交渉は新たなスタートラインに立ちました。

 引き続き交渉を続け雇用の安定と、よりよい練馬の図書館にするため頑張ることを意思統一しています。