原職復帰・バックペイ全額支払いヘ / 全労協新聞 2021年2月号 

原職復帰・バックペイ全額支払いヘ 全労協新聞 2021年2月号 

 


 

全国一般大阪YMCA労組
原職復帰・バックペイ全額支払いヘ


 一月十三日団体交渉が開催され、法人(大阪YMCA)から「原職復帰・バックペイ全額支払い、復職は四月一日を予定」との回答がなされた。

 思えば、二〇一七年三月に解雇されてから四年をかけてのほぼ完全勝利の獲得である。ほぽ、と書いたのは、今の時点で「謝罪-全面解決」の言質を取れていないからである。四年前法人は、財政難により希望退職としながら予定人員不足として指名解雇を仕掛けてきた。高校事務に在
職の石原さんは、前年から業務過多-労働強化を訴えていたことから、あり得ない解雇であった。最後の団交で、組合は「必ず法廷闘争を行う。法人にとって負ける可能性のある解雇は財政難を理由に行うべきではない」と迫ったが、法人は「別問題だ」と答えて解雇を強行してきた。

 大阪府労委で復職命令を勝ち取り、中労委に舞台を移した後は、中労委はひたすら和解を斡旋、何度となく和解交渉が持たれたが、昨年八月最終的に決裂となった。法人は中労委で「再審査を取り下げる」と述べ、組合から団交を申し入れるとその時点(昨年十月末日)で再審査を取り下げ、原職相当への復帰命令が確定した。その後の団交で法人は、中労委の和解交渉の席でも主張していなかった「バックペイからのアルバイト賃金の控除」を最高裁判例があるとして主張していた。組合はもちろん拒否である。府労委命令にはそのようなことは書いていない。数度の交渉の最後に法人はようやく諦め全額の支払いを表明した。

 解雇した石原さんに対して復職を認めたはずの法人であるが、まだ一度も「済みません!」の言葉がない。「これ以上長引かせたくない」から解決してやるんだ、というような姿勢である。以前石原さんに対して「日本語がわからない」として窓口を替えろ、替えなければ窓口折衝はしないという介入を行い、これも不当労働行為として命令が確定。そのときは、交渉員が全員立ち上かり、きちっとした府労委命令を越える謝罪文まで出してきたが、今回は「以前と今回は違う」とわけがわからない。

 毎年行われる大阪ユニオンネットの春闘行動にも行動の一環に入れてもらい何度となく抗議行動と申入れも行ってきた。今はようやく復職のめども立ち、上記のように最後の詰めを行っているところである。粘り強く闘って原職復帰までこぎ看けた。みなさんのこれまでの熱いご支援に心から感謝すると共に、もう一踏ん張り法人を押し込んでいく覚悟をしている。