21けんり春闘勝利に向け / 全労協新聞 2020年12月号

21けんり春闘勝利に向け / 全労協新聞 2020年12月号

 


 


21けんり春闘勝利に向け

雇用保障と賃金大幅引き上げ
要求を掲げ多くの仲間と
団結し連帯・共闘を!

 

 21春闘の準備が急かれている。現下の政治経済状況は従来にまして厳しい状況にある。冬を迎えて再ぴ世界的に拡大をみせている新型コロナ感染症は深刻な事態となっている。日本ではコロナ禍で雇用状況は悪化を続け、九月の完全失業率は三%、二一〇万人と昨年同月比四二万人も増加し、就業者は七九万人減少している。また、有効求人倍率は一・〇三倍と一・〇倍超をキープしているものの、正社員求人は〇・七八倍でしかない。雇用調整助成金中小零細企業者への持続化給付金の実施、延長によって現状を維持していることを考えれば極めて深刻な状態である。これらの施策が来春まで延長される見通しとはいえ、既に多くの企業で希望退職や自宅侍機を実施し、中小零細業者には倒産や廃業が拡大している。来春三月にかけては非正規労働者の契約更新時期とも重なることになり、更に深刻な事態の招来が予想される。労働相談体制の強化が早急に図られねばならない。公務職場では年末一時金の引き下げや賃金改定の据え置きが人事委員会から勧告され、厳しい攻防が既に始まっている。

 小泉政権以降の新自由主義政策によって日本の労働者の実質賃金は低下がつづいてきた。非正規雇用は全労働者の四〇%にまで拡大して、その多くが最低賃金に重なる低賃金労働を強いられている。二○一九年度の春闘交渉は賃上げ率二%にも届かず、法定最賃はコロナ禍を理由に引き上げは拒絶され、ようやく、地方ことに一~三円という雀の涙にもほど遠いものとなった。文字通り非正規労働者は「貧困」に直面し最低限の生活を維持することが困難な状況となっている。格差拡大が更に進むこととなった。

 十月、最高裁非正規労働者から労働契約法二〇条・「不当な差別」に対する賠償と禁止を求める裁判に判決を下した。最高裁は二つの判決を示し、賞与や退職金について非正規労働を限定的な仕事であるとして差別を容認する不当な判断を示し、一方、仕事に関わる諸手当や福利休暇については、差別は不台理であると相反する判断を示したのである。裁判所は経営者擁護を基本とする不当な判断を示しなからも、現下の非正規労働者の窮状を全く無視することができなくなっているのである。

 21春闘は文宇通り、雇用の保障と最低限の生活を維持することさえ困難となっている低賃金労働の大幅賃上げを求める闘いである。21春闘はコロナ感染拡大に細心の注意を払い、全組合員が参加できる闘いをつくることである。職場闘争の中心に雇用保障と賃金大幅引き上げ要求を掲げなから、失業者には『しごと作り』を積極的に政府・行政に要請することが求められている。非正規労働者の賃金底上げを全ての労働者の賃上げに繋げる闘いを全力で取り組むことになる。職場での均等侍遇実現、最低賃金の引き上げを全国的で取り組んでいく必要かある。いまだはびこる諸手当や休暇に関わる非正規差別は最高裁よって明確に違法であること、非正規労働者の「権利」であることを周知し、処遇改善を実現させることは労組として喫繁の任務であることを確認することである。そして労働組合に仲間として参加することを呼びかけることであろう。

 一人でも多くの仲間と団結し連帯・共闘を実現することが21春闘の成果に繋がる。団結と連帯を職場から地域に広げ、失業者に「しごと作り」を求めて行政や経済団体との交渉も追求していく。全国の仲間の持てる力の結集がこの闘いの支えとなる。全国で労働相談活動を強化しながら、全国キャラバンを準備し大きな運動に発展させて行きたい。

 

全労協事務局長 中岡基明)

 

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8時間労働で暮らせる賃金を/全労協など/21けんり春闘発足総会 - 連合通信社

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