20けんり春闘中央総行動アピール / 全労協新聞 2020年5月号

20けんり春闘中央総行動アピール / 全労協新聞 2020年5月号

 


 
20けんり春闘全国実行委員会(4月3日)
 
20けんり春闘中央総行動アピール

 

新型コロナウイルス感染症の拡大が続いている。労働者・市民の健康と安全を守るための諸施策は当然であり、明確なエビデンスの下で直ちに確実で堅実な施策とそれに伴う補償が求められている。一方で、感染拡大の防止を口実に、労働者・市民の生活に直結する「春闘」自粛が呼びかけられ、労働者や社会的弱者の悲痛な叫びが消し去られようとしている。

 

安倍政権の下で拡大・急増した非正規労働者や移住労働者、高齢者などの社会的弱者の生活は深刻さを増している。見せかけの株高と高い求人倍率は、労働の過密さと生活の質の低下によって支えられてきた。いま、新型コロナ問題によってその労働実態が露わとなっている。

 

安倍政権による新自由主義・大企業優先の「利益第一主義」は、労働者市民には「自己責任」を迫るものとなっている。新型コロナ問題は安倍政権の非人間性を露わにした。新型コロナ罹患者へ十分な対応ができない検査や治療体制は、医療機関や保健所の統廃合、民営化を進めてきた結果であり、安倍政権によって感染症に対して極めて脆弱な体制となってきたことはもはや明らかだ。

 

そして、感染拡大に伴う世界的規模での経済的混乱は、非正規労働者や移住労働者の生活を直撃している。既にこの混乱を背景にして就業機会を奪われて休業を余儀なくされるばかりか、解雇、雇い止めに直面する労働者の相談が全国で多くなっている。今後こうした雇用を巡る動向は深刻さを拡大していくことが予測される。

 

20春闘での大企業労組の賃金引き上げ交渉は、残念ながら軒並み昨年に比して低額での妥結となった。中小・零細企業で働く労働者、非正規雇用労働者、移住労働者の生きるための闘いは今本番を迎えている。声を上げることなく闘いを放棄すれば直ちに生活が成り立たなくなってしまう。公務職場で働く非常勤労働者も同様だ。かろうじて最低賃金を少し上回る賃金で働く多くの労働者、ダブルワークによって身を粉にして家族を支える労働者には「八時間働けば生活できる賃金」は最低にして不可欠な要求である。

 

私たち20けんり春闘は以下の要求を掲げて最後まで闘う。

 

第一に中小零細企業労働者、非正規労働者に生活できる大幅賃金引き上げを!

 

第二に休職・自宅待機等の労働者、フリーランスに賃金保障を一〇〇%実施すること。

 

第三に経団連は新型コロナ問題に便乗した解雇、雇い止め、内定取り消しを行わないこと。技能実習生・移住労働者の雇用と生活を保障すること。

 

第四に政府は医療関係の統廃合など合理化を中止し、早急にコロナウイルス罹患者のために、医療従事者に医療資材を確保し、十分な医療体制を再構築すること。

 

第五にイベントや営業自粛に伴う損失補填を直ちに行うこと。