各労組から闘争報告 / 全労協新聞 2020年5月号
20けんり春闘
闘いなくして生活と権利は守れない
4・3経団連前行動を実施
各労組から闘争報告
実施にあたって今年度は各地方からの参加を見合わせ、首都圏の労組の代表を中心とした取り組みに変更し、体調不良の方の参加自粛、マスク着用の原則を確認して取り組むことにした。そうした集中的な取り組みではあったが、八十人余の仲間が結集して経団連前集会を実施することが出来た。春闘は終わったかのような情勢にも関わらず、経団連前には組合旗や「八時間働けば暮らせる賃金を!」「中小企業・非正規・外国人労働者の差別反対!大幅賃上げを!」というスローガンなどの横断幕やプラカードが掲げられ、経団連ビルがある大手町駅周辺に春闘が続いていることをアピールすることが出来た。
経団連前集会は久保聡全労協事務局次長の司会で進行した。まず最初に民間中小労組懇の平賀雄次郎さん、続いて全労協・渡邉洋議長の20けんり春闘共同代表二名から取り巻く状況と闘いの基調挨拶を受けた。新型コロナウイルス感染拡大に対する安倍首相・小池都知事の無策、新自由主義の下で進められてきた公衆衛生行政の破壊や医療の合理化が現在の労働者市民を危機に落とし込めていること、また、オリパラ開催のために対応が遅れてきたことが批判された。そして生活のために身を粉にして働かなければならない非正規労働者や高齢者など社会的弱者の処遇改善のために大幅賃上げを求めて闘い続けることが呼びかけられた。
そして、現場からは最初に労契法二〇条裁判を一五四人の第二次集団訴訟へと拡大させている郵政ユニオン日巻直映委員長からの報告、全国一般東京労組からはこの間取り組んできた職場統一闘争の報告、公務職場の闘いは全水道東水労から報告を受けた。続いて外国人労働者の声を神奈川シティユニオンの仲間は母国語で闘いの歌を披露し、全造船関東地協労組は神奈川の春闘共闘の報告を行った。そして、福島第一原発の事故処理に従事して過労死した福島の原発労働者の裁判報告が全国一般全国協の星野憲太郎副委員長から行われ、判決の勝利と今後も東電、元請会社への責任を追及していくことが報告された。最後に争議団を代表してJAL原告団が闘争経過報告を行った。
闘いの基調と職場からの報告を受け、東京全労協中原純子副議長が20けんり春闘アピール(別掲)を読み上げて全員で確認し、中小ネット・北関東ネットの中村宗一代表の音頭で団結ガンバロウを三唱して集会を締めた。
新型コロナウイルスが蔓延し、外出自粛やテレワークが半強制的に進められる中ではあるが20けんり春闘は「闘い無くして生活と権利は守ることは出来ない」と肝に銘じている。深刻化する感染症には組合員、労働者市民の健康確保を最優先にしながら、中小職場非正規労働者の春闘は続くことになる。そして、コロナショックと言われ始めている世界的な大不況が確実視される中、雇用維持の闘いが必至となっていく。政府には確実な感染拡大を押しとどめる政策を求めていくとともに、財界には労働者市民の雇用と生活維持のためにため込んだ内部留保をしっかり活用することを求めて緊張感をもって闘いを進めていく。
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