会計年度職員への差別的処遇を許さない / 全労協新聞 2020年4月号
練馬全労協
会計年度職員への差別的処遇を許さない
この四月から公務職場の非正規職員は会計年度任用職員という新たな非正規職員に位置付や処遇が変わる。現在の公務職場の非正規職員の処遇は、半年ないし一年の小間切れの雇用の上、低賃金、ボーナスも退職金もなく年収二〇〇万円前後の官製ワーキングプアと呼ばれるものだ。
今回の制度改正はこうした状況の改善に繋がるかとの期待も大きかったが、その期待は裏切られた。その最大の問題点は任用(これは民間での雇用のこと)についてだ。一年毎の任用を変えず、雇用の更新限度を四回に限るとしたことにより、非正規職員が最も切実な要求である雇用の安定を、根本から否定する事項をほとんどの自治体が盛り込んだことだ。これは明らかに処遇の改悪だ。政府は今回の改正の目的を、任用の厳格化と非正規職員への服務規程、人事考課の適用とし、処遇の改善を二の次にした。
前進したのは一時金の支給が可能になったこと位だが、これすらも正規の半分にしかならない。一方でかなりの自治体で一時金を出すかわりに月額賃金が引き下げられるという状況も生じている。
またフルタイムから勤務時間を減らされ月間の賃金が減少したり、業務に穴が空き支障が生じている自治体もある。非正規の処遇改善ではなく、これを契機に民間委託や民営化を拡大する自治体もある。そしてとりわけ許すことが出来ないのは、先に話した更新回数に限度をもうけたということだ。自治体で働く非正規職員の最大の要求は雇用の安定であり、それを踏みにじる暴挙だ。
これにより公務職場の非正規職員は、労働基本権を剥奪されたうえに、身分保証もなく、これまで以上に不安定な身分におかれることになった。
こうした状況に対して非常勤職員は、一喜一憂することもなく、労働組合に結集し職場での差別を許さず、まともな生活が出来るために処遇の改善を図るという原点に立ち返り、正規職員、地域の仲間と連携し闘いを進めていこうと意思統一を進めていく。