全労協/ 福島で貴重な交流 / 新聞 2019年1月号

全労協福島で貴重な交流 / 新聞 2019年1月号



福島原発事故を風化させない

全労協脱原発プロジェクト
福島で貴重な交流


福島フィールドワークの一日目(十一月十七日)に「リプルンふくしま」(特定廃棄物埋立情報館)、二日目(十一月十八日)に「コミュタン福島」(福島県環境創造センター)を見学した。そこには自由配布のパンフレット『放射線のホント』や『風評の払拭に向けて』(国の「復興庁」の今年三月と四月発行)が置かれていた。いずれも、すでにウソと判明している「食品の放射能基準表」を平然と載せている(二四ページと五ページ)。

「リプルンふくしま」から少し山間に上ったところ(同じ富岡町)にある「特定廃棄物埋立処分施設」では、既存の管理型処分場を使って、県内各地の除去土壌や特定廃棄物(十万Bq/㎏以下)の埋め立て作業中。雨水を含む人と環境への放射能の影響を無視できないはずだが、結局「最終処分」扱いとされるようだ。

「コミュタン福島」(田村氏三春町)には交流棟と、別棟の「本館」(国際原子力機関オフィス、県原子力研究部門)「研究棟」(日本原子力研究開発機構、国立環境研究所)があるが、別棟の二棟は通常未公開。「研究棟」では今、放射性廃棄物の「再生処理」実証実験が行われているという。

いずれの放射性廃棄物の処分・処理も、現行の「クリアランス制度」即ち、セシウム一三七では一〇〇Bq/㎏を越える放射性廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の適用はなく、「核燃料物質によって汚染された物」として取り扱わねばならない(原子炉等規制法)との法令に反するものだ。

田村市大越町では旧セメント工場跡地で、議会の決定も、大越町民の過半数の署名も無視されたまま、「バイオマス発電」と言いつつ放射能汚染木を大量に燃やす計画が進行中とのこと。その予定地見学のあと、地元反対運動を進めておられる「大越町の環境を守る会」の方々、二日間通して案内して下さった福島の和田さんと、短い時間ながら交流の機会を持つことができた。今後の協力を共に進めてゆきたいと思います。