全労協/ 放射能汚染物の処理を軽装備で / 新聞 2018年11月号

全労協放射能汚染物の処理を軽装備で / 新聞 2018年11月号



全労協新聞
より


東北全労協 
放射能汚染物の処理を軽装備で

八月、福島県飯館村蕨平に環境省が除染廃棄物などを燃やすために設置している仮設焼却炉で働いていた元作業員の男性Aさんが、施設の運営会社「日輝」に対し損害賠償を求める労働審判を申し立てた。

焼却施設ではたびたび機器が故障し、放射能の濃縮した焼却灰がダダ漏れとなったがAさんは法に定められた全面マスクや防護服の着用が許されず、二〇一六年八月から約一年四カ月の間、半面マスクや一般的な作業服で灰の清掃作業などを強いられた。環境省の公表によると灰の最高濃度は少なくとも一六万ベクレル/㎏あった。

現場は原発と同じ放射線管理区域。法律では、放射線管理責任者の指導の下、全面マスクと防護服着用などの厳重な規則があるにもかかわらず「日輝」はこれを無視、「バレないようにやれ」などと指示していた。

二〇一七年五月、集じん機のバグフィルターろ布が破損したが、「日輝」はこれを修理せず、タイベックススーツのズボンの切れ端をフィルターの代用とした。Aさんら作業員は二カ月にわたり一日二回半面マスクでこれらの交換をさせられ、そのたびに全身灰まみれとなった。焼却事業は五年間で五二五億円、除染と廃棄物処理がビッグビジネスになっている。フクシマで何が起きているのか、報告集会でお伝えします。

Aさんは「日揮」のずさんな施設管理を是正させるために決意して労働審判を申し立てた。十一月五日に福島地方裁判所で第一回期日が入った。この日午前、和田央子さんからの「環境省放射能ゴミ焼却事業に関する報告」を受け、午後に労働審判の報告・支援集会をもつ。ご支援・ご参加お願い申し上げます。