全労協/ 人事委員会勧告 大幅賃下げに怒り / 新聞 2018年11月号

全労協人事委員会勧告 大幅賃下げに怒り  / 新聞 2018年11月号



全労協新聞
より


東京23区特別区人事委員会勧告
大幅賃下げに怒り 


東京都の特別区人事委員会は、管理職を含む全職員の給与を平均九六七一円年間一二万三〇〇〇円賃下げをする。とりわけ、新二級(主任)については最大一八四八〇円の賃下げ。本年度退職者の退職金は約73万円削減すると勧告した。この勧告への怒りを集中するために二三区の区職労の連合体である特区連は全職員署名運動を取り組んでいる。

昨年「人事任用制度」の改変が提案され、本年度から実施された。この結果発生した人事制度のゆがみが背景にある。二〇一八年四月一日付けで主任主事(旧三級)を全員新一級(係員)に格付けし、この中で新二級を希望した職員のみ新二級(主任)に選考合格となった。

新年度の目的は、係長職に就く人を増やすことが目的であったが、二三区の人事構成は、係長となった人はほとんど増えなかった(一六・四%↓一七・四%)。一方主任は減ってしまった(四三%↓三七%)。一方と係員は、増加した(三一%↓三六・四%)。

これは、新二級(主任)は、係長になることを前提とした係長を補佐する職と位置付けられたため、子どもを持つ人や親の介護などをする必要がある人や係長職が大変な仕事であると考えた人などが、新二級を選ばずに留まった。主任になった人たちも係長職が増えない中で、退職前の職員を中心に比較的給与の高い人たちが多くなった。三月三十一日現在の給与は保証されたので新一級・新二級において民間の「係員」より給与が高くなってしまったのである。

人事委員会は、自分たちが昨年人事任用制度の改訂を区長会に勧告したが、人事制度のゆがみを直せなかったことを棚に上げ、今年度は給与を下げる勧告をしたのである。このことは、人事委員会の職務怠慢と言わざるを得ない。また、この勧告にもし区長会が追随することになれば、使用者としての責任放棄である今、各区職労は、このような事態の中で、人事院勧告を許さない取り組みを強化している。

大田区職労藤村妙子)