全労協/ あらかぶ裁判(福島原発被ばく労災) / 新聞 2018年10月号

全労協あらかぶ裁判(福島原発被ばく労災) / 新聞 2018年10月号



全労協新聞
より


安倍政権の軍事大国化・改憲策動と闘う


●さようなら原発(東海第2原発、あらかぶ裁判)


●あらかぶ裁判(福島原発被ばく労災)
発病原因が私生活?


九月十三日、福島原発被ばく労災損賠賠償裁判闘争の第九回口頭弁論が午後二時より東京地裁一〇三号大法廷にて開催され、全労協からの支援者を始めとする九十人近い傍聴者が参加した。

口頭弁論では、被告東電、九電から準備書面が提出され、いずれも「原告の白血病が本件作業従事中の放射線被曝によって生じたという関係を是認しうる『高度の蓋然性』があることを原告が立証しなければならない」(東電)、「原告の主張である急性骨髄性白血病の罹患は、放射線被ばくのとの因果関係を認められない」(九電)として、「原告が浴びた一九・七八ミリシーベルトの被ばく線量と急性骨髄性発症との間に相当因果関係はない」とする許し難い姿勢と論陣を張っている。

それどころから、東京電力準備書面の中で、「白血病発症の要因には①生活習慣暴露、②職業などの環境暴露、③治療などの医療的暴露など・・・特に生活習慣暴露では『喫煙』、『アルコールが重なる』と相乗効果でリスクが高まる(国立がんセンター論文の引用)」とし、「原告は十八歳ころから約二〇年以上に亘って喫煙、一日、缶ビール二〜三本の飲酒習慣があったと申告している。こちらの方がハイリスクであり、放射線被ばくと白血病発症の因果関係は認められない」と原告の主張を切り捨てる論陣を展開している。しかも東京電力は、何と恥知らずにも、あらかぶさんのプライベートな部分に土足で入りこみ、「私生活が白血病発症の原因」などとうそぶいているのだ。こうした東京電力の姿勢を決して許してはならない。口頭弁論終了後の報告集会で明らかになった東京電力のウルトラ反動に、「あらかぶさん」を始め多くの仲間たちは憤慨し、必ずや東電に謝罪させ、損害賠償を勝ち取るまで最高裁まで争い決意を固めあった。

脱原発プロジェクト平澤勝)