全労協/ 右派系道徳教科書大阪で採択されず / 新聞 2018年10月号

全労協右派系道徳教科書大阪で採択されず / 新聞 2018年10月号



全労協新聞
より


安倍政権の軍事大国化・改憲策動と闘う


●大阪教育合同労組
右派系道徳教科書大阪で採択されず

八月二十日で、大阪府三八採択区すべての中学校道徳教科書採択が終わりました。問題が多いとされていた、「日本教科書」と「教育出版」の採択はゼロでした。昨年の小学校道徳教科書で「教育出版」の採択がゼロだったことも合わせて、大阪各地の運動の成果といえます。

二〇一五年の中学校歴史・公民教科書採択において、大阪府内では大阪市東大阪市など五市で「育鵬社」が採択されてしまったという苦い経験があります。神話に基づく歴史観天皇礼賛、安倍首相支持を誘導するような教科書が使われていることの危険性はこれからも忘れてはいけません。当労組も参加している「『戦争教科書』はいらない!大阪連絡会」に結集している各団体・個人は、道徳教科書の採択にあたって、各採択区に、その内容や会社に問題のある教科書を採択しないことを求める要請行動や、教育委員会の傍聴を拡大してきました。

よりマシな教科書が採択されたからといって、基本的人権よりも「愛国心」を、個人よりも家族を重視するような教育が無自覚に拡散していくことは避けねばなりません。道徳教育に強い影響力をもつ「モラロジー研究会」の作文コンクールに、多くの市町村教育委員会が賛同し、多くの小・中学校の教員が動員されていることも問題です。

二〇一九年には小学校教科書の改訂、二〇二〇年には中学校教科書の改訂にともなって、「日本会議」系の教科書会社はさらに攻勢をかけてくることも考えられます。さらに、二〇一九年に違憲状態(天皇の国事行為を超えた発言や行動)で行われようとしている天皇退位・新天皇即位、二〇二〇年に向けて東京周辺の児童生徒を巻き込みながらすすめられている「オリ・パラ教育」。「愛国心」「オールジャパン」の意識高揚にだまされない運動を拡大していきましょう。

(大阪教育合同労組書記次長増田俊道)