全労協/ 愛国主義強調の道徳教科書に注意 / 全労協新聞 2018年7月号

全労協愛国主義強調の道徳教科書に注意 / 全労協新聞 2018年7月号


差別・排外主義者の策動を止めよう!



●大阪教育合同労組

愛国主義強調の
道徳教科書に注意


 小学校では今年度から、「特別な教科」として道徳の授業が本格実施されています。「愛国心」の押しつけが、じわじわと学校に押し寄せているのです。

 来年度から使用される中学校道徳教科書が、今年の夏に採択される予定です。すでに八社が文部科学省の検定を通過していますが、その中に、小学校道徳教科書で安倍晋三など現役政治家の写真を多数載せて問題になった「教育出版」と、さらに「日本教科書株式会社」という新しい教科書会社も登場してきました。

 「日本教科書株式会社」は東京の晋遊舎ピルの中にあります。代表の武田義輝氏は晋遊舎の会長でもあり、「日本教科書株式会社」は事実上、晋遊舎の子会社と言えます。晋遊舎は十年以上前から『嫌韓流』などを出版し、朝鮮人に対するヘイトスピーチを広めた元凶となっている出版社です。さらに児童のセクハラ漫画も多数出版してきました。このような出版社が道徳教科書を出版するなど、とんでもない冗談としか思えません。

 「日本教科書株式会社」の道徳教科書は、自己責任・自己犠牲・愛国心などを強調し、教育勅語の内容と類似しているとされる「道徳の二二の徳目」を習得できたか、子どもたちが項目ごとに四段階で自己評価することまで要求しています。

 日本教育再生機構の理事長である八木秀次氏が、かつてこの出版社にかかわっていたことからも、安倍晋三日本会議の意向を受けていることは明らかです。

 各市教育委員会で教科書採択への取り組みを開始しましょう。

(書記次長 増田俊道)