フクシマ連帯キャラバン / 全労協新聞 2018年5月号

フクシマ連帯キャラバン / 全労協新聞 2018年5月号

フクシマ連帯キャラバン

慄然とした
請戸港の風景


 フクシマ連帯キャラバン(三月十四日~二十一日)の前半の五日間を参加させてもらった。

 最初に、柏崎刈羽原発近くにある原発PR館を見た後、地元団体の方から話を伺った。

 翌朝には、新潟から移動して、福島県庁申し入れを行い、高校生平和親善大使や地元労組から話を聞いた。そして翌日には楢葉町天神岬の県民大集会に参加した。

 最終日は飯舘村に向かい、村の至る所にあるフレコンパックの山、荒廃した牛舎などを見て回った。実際に自分たちで放射線量を計りながら、未だ飯館村が帰宅困難な高線量地域であると実感した。

 最後に浪江町の請戸港と富岡駅前に向かった。請戸港は津波被害直後の状態が未だにそのままになっており、ただ一面荒野が広がる風景に慄然とした。

 他方で富岡駅周辺は一部開発が進んでいて真新しい建物か幾つかあったが、駅舎のすぐ近くに巨大な仮焼却処分場が聳え立つ姿は異様であった。

 全体の日程を通して感じたことは、放射能は五感で感じることができないものであるために、私たちは無関心になりがちであるということである。そうならないためにも被害にあわれた人たちの話に傾聴し、政府や東電かつくり出す安易な安全神話に扇されずにしっかりとした科学的数値と言説を知ることが重要であろう。

(全国一般東京南部川口)