全統一労働組合 技能実習生のうつ病が労災認定 / 全労協新聞 2017年10月号



うつ病が労災認定


東京都内の建設業で働くカンボジア技能実習生が、職場での執拗な暴言・激しい暴力により、うつ病を発症。今年6月、立川労基署が労災を認定した。

この実習生は就労直後から、「バカ」「アホ」「死ね」などの暴言を浴びせられ、バールやレーキでヘルメットを叩くなど、暴力を受け続けてきた。さらに、電動工具に巻き込まれ指を切断する事故にも遭遇したが、「カネ欲しさにわざと切ったのだろう」などの人権侵害も受けた。

相談を受けた全統一は、団体交渉で会社の安全配慮義務を追求し、暴言・暴行の事実を認めさせ、あわせて指切断事故の労災隠しも追及した。うつ病など精神疾患の労災認定のハードルは高く、そもそもカンボジア語での労災申請書類や労災制度の説明も皆無である。

全統一は、東京労働安全センターの協力を得ながら、労基署との交渉を重ねた。外国人技能実習生のうつ病認定は、おそらく初めての事例であり、技能実習生を取り巻く過酷な現実に強く警鐘を鳴らすものだ。