改めてメーデーに 八時間労働制を訴える / 全労協新聞 2016年5月号

改めてメーデーに 
八時間労働制を訴える
 / 全労協新聞 2016年5月号



全労協新聞
より


直言
激論

改めてメーデー
八時間労働制を訴える


熊本県を中心とする大地
震は、四月十四日の発生か
ら五日以上経つ(四月二十
日現在)。気象庁は「今ま
での経験則から外れた」動
きを示しており、「今後地
震活動がどうなっていくか
分からない」という。
加えて心配なのが、全国
で唯一稼働している九州電
川内原発一、二号機。今
夏の再稼働を目指している四国電力伊方原発大分県
の目と鼻の先にある。素人
ながら、今回の頻発する地
震の触発で他の活断層が地
震を引き起こして行くので
はないかと不安で堪らない。この地震動が一刻も早
く収まるのを願うのは私だ
けではないと思う。
今も余震が続き、家を失
って避難している人は二十
万人以上に達しているとも
いわれ、この地震による犠
牲者はさらに広がる可能性
があると報じられている。
改めて、亡くなられた
方々のご冥福と、被災され
た皆さんにお悔やみを申し
上げたいと思う。
毎年五月一日が世界的に
労働者の祭典、メーデー
されている。きっかけは、
アメリカの職能労働組合
盟が八時間労働制を要求し
て立ち上がったことを起源
とする。それは今でも「八時
間は労働、八
時間は休息、そ
して残り八時間は自分たち
の自由な時間のために」の
精神は引き継がれている。
日本でも労働基準法は労
働時間を一日八時間、週四
十時間までと定めている。
しかし上限規制がなく、労
使が三六協定(残業時間の
上限を労使で定める)を結
べば法定時間を超えて残業
ができ、過重労働を助長さ
せている。安倍首相は、一億
総活躍国民会議で「三六協
定における時間外労働規制
のあり方について再検討を
行う」と表明した。労働時間
の抑制は、労働者の命や健
康を守り、女性の活躍支援
少子化対策として有効で
あろう。がしかし一方で、
長時間労働の抑制をいいな
がら時間に関係なく成果に
応じて賃金を支払う、「残
業代ゼロ法」の成立を目指
している。このような労働
法制は政府が目指す「一億
総活躍社会」に逆行する。
ところで、メーデー開催
日を五月一日にしない連合
はこれをどのように考える
のだろうか。

(金澤壽全労協議長)