大阪教育合同労組
「君が代」団交で矛盾する教育委員会
今年度の卒業式に関する団体交渉を三月四日に行いました。この団交は、昨年十二月の中労委和解に基づくものです。
団交での争点は、労組法適用者の非常勤職員(大阪市では主に特別支援教育サポーター)及び非常勤講師に、地公法上の概念である、懲戒処分や職務命令を行うことができるのか、また、卒業式における「君が代」の起立・斉唱は「労働」に当たるのかということです。
市教委は、「労組法適用者の非常勤職員に対しては、懲戒処分や職務命令を行うことはできませんが、職員である以上、職務命令の対象者になるというのが、私たちの見解です」と矛盾した回答を行いました。
職務命令は地公法適用者に対して行われるものであり、労組法適用者に当てはまる概念ではありません。この点を厳しく指摘されると、市教委は「校長の指示・命令も職務命令に当たると考えています」と答えました。「それは職務命令の拡大解釈につながる」「法的な根拠は?」などという参加者の意見に対して、明確な回答をすることはできませんでした。
学校現場に法的な整理を行わないまま、非正規の職員を増やす施策を行ったのは市教委です。その矛盾が現実に表れてきているのです。
「校長と十分に話し合って当日の業務を行っていただきたい。児童・生徒の介護の状態によっては、起立・斉唱できないこともあると認識している」と述べ、職務命令を強行に行わない姿勢を市教委は示しました。さらに、卒業式当日の勤務が「労働」であることも認めました。
非常勤講師については、「卒業式に出る必要がない職種であり、卒業式に参加することがおかしい」という考えも示しました。
「日の丸・君が代」に対する起立・斉唱を労働という面から否定していく闘いは始まったばかりです。今回の団交結果を整理し、闘いをさらに進めていきたいと考えています。
(澤村幸雄
大阪支部代表)