全労協/ 安倍政権打倒の大きなうねりを / 全労協新聞 2016年1月号
全労協
http://www.zenrokyo.org/
全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より
年頭にあたって
安倍政権打倒の
大きなうねりを
全国労働組合連絡協議会 議長 金澤 壽
16春闘はどの様な情勢の下で闘われよ
うとしているのだろうか。
戦後七〇年、安全保障関運法に反対する闘いは各地に広がり、学者や市民団体にとどまらず、政治的な活動に無関心だった市民や学生へも運動が広がった。そして今も声を上げ続けている。
安倍首相は戦争法批判から国民の目をそらすかのように、アベノミクスが「第二ステージに入った」として、「新三本の矢」政策を発表した。二〇二〇年に向けて誰もが家庭や職場、地域で輝ける「一億総活躍社会」を目指すという。
ちなみに設定された目標は、二〇一四年度四九〇兆円だった名目国内総生産 (GDP)を六〇〇兆円に、希望出生率一・八に、介護離職ゼロ、待機児童ゼロなど、様々な目標が並んでいるが、未だその具体策が示されているわけではない。強い経済力推進の背後にあるのは、戦争法と一体的に進める軍需産業や原発産業育成強化であり、武器輸出や原発輸出であり、労働法制のさらなる大改悪である。
15春闘は「官製春闘」といわれた。そして「官製春闘」は多くの労働者の生活向上に資することはなかった。「政労使会議」はお互いに生産性向上を認めあい、大手企業の賃上げの見返りに労働側は経済の好循環と働き方改革への協力か求められた。労働者派遣法は改悪され、派遣労働者は一生低賃金派遣労働に縛り付けられ、継続審議となった過労死を促進する労働基準法改悪案、そして解雇の金銭解決方式の導入も成長戦賂として閣議決定され検討か始まっている。まさに 「政労使合意」が労働者に襲いかかってきている。
労働者保護規制は、戦後日本の労働者・労働組合が闘い勝ち取ってきたものだ。これが徹底的に破壊され、労働組合をもなくそうとしている。「戦争法」と同様にこの国のあり方をがらりと変えようとするものといわなければならない。 「資本の奴隷」になる前に、このような悪法は絶対成立させてはならない。
さて16春闘、まず全ての労働者が人間らしく生活できるための大幅賃上げを自らの闘いで実現しなければならない。さらに非正規労働者の待遇改善と、高齢者や生活保護世帯など社会的弱者といわれる市民の生活改善に向けた闘いも課題にしなければならない。そして同時に、安倍政権の憲法改悪の野望を阻止しなければならない。
昨年十二月二十日、夏の参議院選挙に向けて野党統一侯補を支援する「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」が設立された。全労協も、戦争参加法に反対して闘う労働者、市民とともに、安倍政権打倒、戦争参加法撤廃の大きなうねりをつくり出していこう。