大阪全労協
二〇一六西日本春闘討論集会が、二月二十日〜二十一日の二日間、大阪・PLP会館で開催された。とりわけ今年の集会は、昨年の戦争法強行成立をメルクマールとした安倍政権による改憲姿勢が前面に出てきている状況の中で、労働法制改悪も含め労働運動がどう社会の矛盾と闘うのか、という問いかけが集会の基底に響いていた。全港湾、全日建、全労協などによる実行委員会が集会を準備した。
集会の試みとしては、一日目に分科会形式を導入したことである。集会は福田大阪全労協議長の開会あいさつで始まり、中岡全労協事務局長による、全労協16春闘パンフレットを活用した春闘方針の提起があった。今春闘の運動の柱である〈ディーセントワークの実現と人間らしく生活できる賃金の獲得〉〈労働法制改悪(労働時間制度の破壊、解雇自由)との闘い〉〈社会的課題戦争と生活破壊の安倍政権を打倒しよう〉という三本柱が提起された。
とくに、時給一五〇〇円獲得要求は現在の非正規労働者の置かれている劣悪な状況をふまえれば、私たちにとってある意味新鮮な要求ではあるが同時に必然的な要求であることが参加者にも伝わった。
それに続いて、毎年参加し、今年も会場での物販活動も行なっていたJAL不当解雇撤回争議団の当該より支援を訴えるアピールが行なわれた。
その後、「賃金闘争」(主に最賃闘争について)、「争議交流」(主に労働委員会について)、「非正規の闘い」(主に労契法訴訟について)の三分科会でそれぞれ二〜三本の報告者の報告をもとに熱心な討議が交わされた。
休憩の後、ようやくみんなリラックスして交流会へ。いつもながら、こういう場での膝を交えた論議と参加者みんなが組合ごとに前へ出て一言しゃべるのが実は大きな財産となってくる。
二日目は、前日の分科会報告のあと、本集会の目玉ともいうべき「これからの労働組合を問う」と題した渡辺学全労協青年委員会代表による講演が行なわれた。
実は実行委員会の問題意識として春闘課題ともうひとつならんであったのが、若い世代の労働運動の問題。運動の継承も必要であり同時に新しい発想の運動も必要というあたりを若い世代の労働者がどう語ってくれるのか、というところを参加者は耳を傾けて聞いていた。渡辺代表は九〇年代がほぼ小中高にあてはまるという世代で、「下層が先頭になって、国境を超えた視点で運動をつくっていこう」と訴えた。その後、講演や集会全体についての質疑応答や各地域からのアピールの後、稲村京都総評議長による集会まとめと団結がんばろう!で二日間の集会は締めくくられた。
来年の17春闘討論集会は広島で開催される。さらに多くの仲間が結集されんことを!。
(竹林隆事務局長)
西日本春闘討論集会(2月21日)