全労協/ 工事再開強行に体を張って闘う / 全労協新聞 2015年10月号

全労協/ 工事再開強行に体を張って闘う / 全労協新聞 2015年10月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より

●沖縄の新基地建設断念を

●沖縄からの報告(埋め立て承認取り消し)
工事再開強行に体を張って闘う



九月十四日午前、翁長沖縄県知事が新基地建設のための辺野古埋め立てに対する承認の取り消しを行いました。

八月十日からは、県と国との集中協議が開催されることで辺野古の現場では作業が約一ヶ月一時中断されていましたが、協議期間中も翁長知事からの沖縄の歴史・想い・現状などを説明されても、日本政府は何一つ理解しようとはせず、「普天間の危険性の除去のためには辺野古が唯一の解決策だ」とこれまでの日米両政府の方針を繰り返すだけでした。

また、菅官房長官は「戦後は日本全国みんなで苦労してきた。沖縄だけが苦労してきたのではない」と言い放ちました。これが「沖縄の声に耳を傾ける」ということでしょうか?

また、圧倒的な国民の反対の声を押し潰し国会で戦争法案が強行可決され、米軍と自衛隊が一体化を強化する中で、中谷防衛大臣は「沖縄に配備したミサイルで中国からのミサイルに対処する」と述べたことに対し、翁長知事は「無人島では無い、一四〇万の県民が住んでいるですよ」と怒りをあらわにしたのです。まさにもう一度沖縄を軍事要塞化する方針を日本政府は頑なに推し進めようとしています。そして協議期間が切れるや否や、日本政府は九月十二日早朝から工事再開を強行したのです。

協議の最後に、翁長知事は「新基地建設を全力で阻止させていただきます」として自身の立場と覚悟を明確に日本政府に突き付け、九月二十一日には国連人権理事会で、日本の県知事としては初めての演説を行い、「米軍基地があるがゆえに沖縄の人々の自己決定権と人権がないがしろにされている」「あらゆる手段を使って新基地建設を阻止する覚悟だ」と全世界に新基地建設阻止の為の連帯を訴えました。

知事の承認取り消し後も、国は法的手段に訴えるとして工事を止めていません。「本土」からの応援を得た機動隊の暴力も更に激しくなり、身に覚えのない「公務執行妨害」をでっちあげられ、連日逮捕者が出ています。しかし多くの人々が、知事の承認取り消しを現場において具体化するために「屈しない」「沖縄の未来は沖縄が決める」「翁長知事を支えて辺野古基地建設を止める」「高江のヘリパッド建設を止める」を合言葉に体を張って頑張っています。
(下地厚前常任幹事)