全労協/ 沖縄からの報告 / 全労協新聞 2015年11月号
全労協
http://www.zenrokyo.org/
全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より
●沖縄からの報告
防衛省が不服審査請求
広がる怒りの声
連帯の行動を
翁長沖縄県知事は、十月十三日、名護市辺野古への新基地建設計画のための「前知事による埋め立て承認」を取り消しました。七月に県の第三者委員会が「前知事の埋め立て承認は、法的な瑕疵があった」とする報告書を知事に提出していましたが、この検証結果を受け「瑕疵が認められたので、取り消しが相当であると判断」し、最大の法的権限を行使したのです。合わせて「今後も辺野古に新基地を造らせないという公約実現に全力を尽くす」と力強く話しました。埋め立て作業はこれで法的根拠を失い、直ちに一切の作業は中止しなければなりませんでした。
不当にも、防衛省・沖縄防衛局は翌十四日、国土交通省に対し行政不服審査請求と承認取り消しの効力一時停止の甲し立てを行ったのです。これは全く法を逸脱した行為です。行政不服審査法は、個人が国など行政庁の行った不利益処分に対し不服申し立てをする権利を保障しているのであり、行政機関である防衛局が同じく行政機関である国土交通省に申し立てる資格はないのです。「私人」が広大な海を埋め立て、軍事基地を造るという構造になり、全くの茶番でしかありません。
翁長知事も「埋め立て承認取り消しの通知書を受け取った翌日に不服審査請求を行うとこは新基地建設ありきの強行姿勢を示すものだ」と怒りを隠しませんでした。
また十九日には、沖縄防衛局が設置した環境監視等委員会の委員一三人のうち委員長を含む四人が、埋め立て工事の受注業者から、就任後に一、四〇〇万円余りの寄付や報酬を受けていたことか判明し、また委員のうち七人が環境影響評価の有識者研究会の委員も務めていることからして、大事な環境問題での業者との癒着や「出来レース」が疑われるなど「新基地建設ありき」の国の姿勢が大きく問われる事態となっています。
取り消しの翌日より、翁長知事の取り消しを支持し、違法な工事を許さない行動が、キャンプシュワブゲート前や辺野古の海で取り組まれています。十四日には、朝六時からの早朝行勣に五〇〇人の人々が結集しました。埋め立ての法的根拠が失われているため、工事は中断していますか、国土交通省による不法な効力I時停止が認められれば、即、国は強行に工事を再開すると考えられます。
沖縄選出の野党国会議員五人の会「うりずんの会」やヘリ基地反対協議会は、いち早くそれぞれ翁長知事の埋め立て承認取り消しを支持する声明を発表しています。さらに日弁連など多くの団体が、支持声明や知事の行動を後押しする声明、政府の執行停止要求を批判しています。
ヘリ基地反対協議会の声明は「今、歴史の転換点に来ています。また地方自治が問われています。全県・全世界の皆さん、辺野古の座り込みに参加して下さい。多くの人たちか集まれば、基地建設は止められます。ともに連帯しましょう」と結んでいます。
(下地厚前常任幹事)
http://www.mco.ne.jp/~herikiti/index.html
ヘリ基地反対協議会