全労協/ 全労協第26回定期全国大会 / 全労協新聞 2014年10月号

全労協全労協26回定期全国大会 / 全労協新聞 2014年10月号




全労協26回定期全国大会
社会実現へ全労協の強化を


九月二十一日、二十二日の両日、全労協は第二六回定期全国大会を開催した。全国から参加した代議員・傍聴者一二〇人余によって熱気ある討論が行われ、闘う活動方針と新たな執行体制を決定した。大会は遠藤常任幹事の開会挨拶で始まり、議長団には樋口代議員(国労)、斎藤代議員(東京清掃労組)を選出して議事に入った。

まず金澤議長が常任幹事会を代表して「安倍首相が進め川内原発再稼働や、集団的自衛権容認による戦争準備を阻止すること、消費税引き上げ、労働法制改悪に見られる生活破壊に断固反撃しよう。その先頭に全労協が立とう」と挨拶が行われた。来賓として出席いただいた内田雅敏(戦争させない1000人委員会事務局長)、福島みずほ社民党副党首・参議院員)、長南博邦(新社会党記長)、平賀健一郎(中小労組政策ネット事務局長)各氏から激励のご挨拶を頂き、争議団を代表して清田均・JA原告団乗員事務局長は国・JALによる不当な解雇を必ず撤回させるとの決意表明がなされ、藤崎良三顧問からは「格差貧困社会に立ち向かう全労協たれ」と元気の出る挨拶を頂いた。

議事は中岡事務局長から二五期経過報告、二六期活動方針が提案され、女性委員会の柚木常幹より政府の女性「活用」方針に対する意見が補足された。諸隈事務局次長から会計報告と予算案の提案、会計監査の石原さんから監査報告が行われ討論に移った。決算予算案については別室で財政小委員会を開催した。

二日間に亘る討論には一八組織・労組の二十四人が参加した。第一日目は争議などの闘いの取り組み報告が行われた。東京メトロコマースやフジビ、NTT資本を相手に闘う木下争議や沼田争議、井上眼科病院不当解雇撤回闘争、横浜市教委による分限免職の闘いなどが報告された。特メトロコマースや郵政職場非正規労働者が決起している労働契約法二十条を使った「不合理な差別に対する損害賠償訴訟」に注目が集まり、支援と闘いの輪の拡大や新たな訴訟の取り組みが求められた。そしてJAL闘争への支援の強化も呼びかけられた。

二日目の討論は活動方針と組織建設を巡って活発に行われた。まず、闘いの課題については安倍政権による貧困と格差拡大との闘い、労働法制改悪との闘いについて発言があり、戦争策動に対抗する闘い、国家統制が進む教育政策、を巡って討論が行われた。労働者の生活と権利を守るためにはストライキを配置した闘いが決定的に重要であること、14春闘におけるストライキ闘争について発言がなされた(郵政ユニオン、全国一般東京東部労組、全統一労組)。この成果を15春闘に繋げていくことも確認された。また技能実習生制度を悪用し外国人労働者の導入に反対し、働く仲間として外国人労働者の労働環境向上を闘おう(全統一労組)と訴えた。そしてすべての争議勝利に向け、全体の支援を強めること、争議支援にSLU基金活用が訴えられた。

安倍政権が進める戦争策動との闘いについては沖縄闘争の重要性(東京全労協)や、朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑を撤去しようという動きに反対する署名の取り組み(国労高崎、長崎全労協)、京都に米軍Xバンドレーダー新基地建設に反対する取り組み(京都総評)など、集団的自衛権行使を阻止するために東京で闘われる国会闘争と共に地方での反基地、脱原発闘争の重要性について発言もあり、特脱原発闘争では川内原発再稼働を阻止し、フクシマの闘いと連帯することが訴えられた。(全国一般ふくしま連帯ユニオン)。特に沖縄の辺野古新基地建設反対闘争への強力な支援・連帯の取り組み強化が訴えられた。そして教育の国家統制や、橋下大阪市長の攻撃に反撃する闘い(大阪教育合同)も紹介された。

全労協の組織強化について議論は青年委員会の設置を歓迎し、活発な青年運動を起こそう(大阪全労協、東水労)、退職した労組活動家に協力要請し、労働相談の窓口や、労組結成への助言、闘いへの参加を促すこと、全国に地方全労協を拡げる運動に取り組もうと(徳島全労協)訴えられた。その他、本部財政の強化について検討を進めるように意見が出された。

こうした活発な討論を受けて、中岡事務局長から、
①争議組織化に全力をあげること。
②労働法制改悪阻止に全力をあげ、労契法二十条裁判を拡げよう。
集団的自衛権行使を阻止する闘いと、沖縄辺野古新基地建設阻止、各地の基地反対を結びつけて闘おう。
脱原発社会の実現は川原発の再稼働を絶対阻止することから集中して取り組もう。
全労協の組織強化を青年運動の活性化、OB・OG組合員の協力を具体的に組織方針化していくこと⑥全労協の「新たな基調と目標」の進化を組織建設へと結実させる議論を進めていく
と集約がおこなわれた。

その後、採決が行われ、全員一致で新たな活動方針を確認した。決算予算については財政小委員会からの報告が行われ、これも全員一致で採択された。新たな役員体制は一面の通りである。結成以来常幹を務めてきた遠藤一郎さん他四人が退任され、新たに菊池副議長他三人が加わる新体制を確立した。和田副議長の閉会挨拶を受け、金澤議長の音頭で全員が団結ガンバロウを三唱し、すべての日程を終了した。

今回の大会には青年組合員も多く参加し活発に議論に加わった。そして福島で原発故の収束・廃炉作業にあたる労働者、除染労働者の支援に当たっている、福島の二労組(全国一般ふくしま連帯ユニオン、いわき自由労組)には檄布とカンパが送られた。そして安倍政権による平和の破壊、生活の破壊と二重の破壊攻撃に対して、市民と共に、立ち向かうこと、全労協はその先頭に立つことを確認できた大会となった。