全労協 第29回 大会報告 / 全労協新聞 2017年11月号

全労協 第29回 大会報告 / 全労協新聞 2017年11月号


全労協 第29回 大会報告

戦争法・共謀罪廃止、沖縄連帯、労働法制改悪阻止、脱原発社会の実現
9条改憲に突き進む安倍政権を打倒しよう!


安倍政権が党利党略・私利私欲のために行なった衆議院解散によって混乱を極める政治状況の中、全労協は10月1日、2日の両日、第29回定期大会を開催した。

2016年度の活動を総括し、17年度の活動方針案、予算案を議論し、満場一致をもって闘う方針を採択、新役員体制を選出して閉幕した。

代議員・傍聴者はあわせて120人を超えて成功裡に終えることができた。

唐澤副議長の司会で始まり、議長団に全水道東水労・伊藤稔、全国一般全国協・柿本哲夫の両代議員を選出して議事に移った。

最初に金澤議長から常任幹事会を代表してあいさつが行われた。金澤議長は、「国鉄民営化が国労を潰し、総評を解散に追い込み、社会党をつぶすことにあったように、いま、安倍政権と小池新党がリベラル勢力の一掃のために暗躍している。護憲・反安保、労働者の権利の防衛は全労協の絶対的スタンスである。解散総選挙に立憲野党の勝利のために闘おう。非正規労働者の差別撤廃のために闘おう」と挨拶が行われた。

来賓として出席された社民党福島みずほ副党首、フォーラム平和・人権・環境の勝島事務局長、新社会党の長南書記長、中小労組政策ネットの中村共同代表から激励挨拶をいただき、全労協顧問の山崎道人、藤崎良三の両顧問からも挨拶が行われた。

議案討論では、まず中岡事務局長から16年度の経過報告と17年度活動方針並びに補充議案が提起された。久保事務局次長から決算報告並びに17年度予算案の提起を受けて、質疑討論に入った。


活発な大会議論

第1日目の討論には8人が参加した。まず、郵政ユニオンの浅川代議員から20条裁判(東京地裁)の判決について、繁忙期手当や住宅手当など十分ではないが差別が認められたこと、病休の付与などについても是正すべきとの判決で、今後の闘いへ一歩前進したことが報告された。

東京全労協からユナイテッド航空争議当該の吉良代議員から争議支援の要請が行われ、三多摩労組の福田代議員から白百合クリーニング争議報告の他、SNSを使った組織化など闘いの報告が行われた。

徳島全労協の北野代議員からは地方全労協の厳しい状況について全労協本部からの支援が十分に行われていないことに対する批判と今後の活性化に向けた要請が行われた。ユニオンネットお互いさまの中川代議員から小池産業争議の要請が行われ、全国協代議員・東京労組の千葉代議員と小金井代議員からフジビ闘争の現状報告とさらなる支援要請がなされた。東京全労協東部全労協から小笠原代議員からは富士産業争議の勝利和解について報告とお礼が述べられ、東京東部労組の後呂代議員から東京メトロ20条裁判の不当判決に対して控訴審の闘いが報告された。


第2日目の討論は、8時30分からDVDによる三多摩労組、東京東部労組からの闘いの報告が行われて質疑を再開した。

大阪教育合同の大椿代議員は森友学園をめぐる大阪府大阪維新の会の疑惑追及を続けていくことが報告され、この衆議院選挙では小池新党と維新の会の棲み分けを許さずに、立憲野党を勝利させるとの決意が示されるとともに、労契法18条、20条を使った非正規労働者への差別を許さない闘いの前進を実現したい。また、非正規労働者に労契法を知らせることも行おうと呼びかけられた。

大田区職労の西山代議員は青年委員会の取り組みと育成について、本部の援助が要請が行われた。今秋には福島原発被災地でのフィールドワークを取り組むことも報告された。

東京全労協の寺嶋代議員からは17権利春闘や日比谷メーデー、沖縄平和行進の取り組みが報告されるとともに、東水労での監理団体による不当労働行為並びに処分撤回の裁判闘争の報告が行われた。

全統一労働組合からは佐々木代議員から技能実習制度の法改正が行われ、制度を悪用した実習生の奴隷労働をただす闘いの重要性が報告された。

続いて、大阪全労協からは竹林代議員から堺市市長選挙で維新の会候補を破ったこと。ならびに衆議院選挙でも維新を敗北させる決意が述べられた。また、地方全労協と東京本部との連携が十分に行われていないことについて労働法制改悪反対の闘いなど、更に有機的な連携を構築する必要性が要請された。

N関労東日本・奥山代議員からはNTTの合理化反対闘争の現状が報告されるとともに、定年退職者が地域ユニオンに参加して活動していることが報告された。地域ユニオンの活動では、スラップ訴訟をチラつかせて、団体交渉拒否を行う経営者が拡大していることも報告が行われた。

郵政合同労組の佐藤代議員からは宮城県知事選挙についての報告があり、自民党知事の独裁的県政運営に女川原発再稼働を阻止する闘いへ市民運動から対立候補を擁立して闘っていることが報告された。

神奈川県共闘の小内代議員からは退職者が労働相談窓口を勤めて組織化が進んでいることが報告された。

東北全労協から田辺代議員、佐藤代議員が発言し、大阪本社抗議行動によって和解が進んでいる争議報告が行われるとともに、福島原発事故による被災者への賠償切り捨てとの闘い、原発作業員の安全を守る闘いについて報告が行われ、

練馬ユニオンの矢内代議員からはメーデーの統一に向けた努力の要請が行われた。


討論を集約して中岡事務局長は、以下のまとめを行った。

①「権利は譲らない・差別を許さない」の下に、全ての争議に勝利するために、各組合が相互に連携し、団結を強め全力で支援を広げ勝利に結び付けよう。

20条裁判の拡大を非正規労働者の均等待遇実現につなげよう。18けんり春闘を11月には発足させ、官民共闘、非正規労働者の均等待遇実現に向けた闘いを作っていこう。

②安倍政権打倒、立憲野党勝利に向けて選挙闘争に勝利するとともに、安倍改憲阻止3000万人署名の達成、11・3国会包囲行動に全国から参加しよう。

戦争法・共謀罪法廃止、原発再稼働を許さず被災地の人々に寄りそって連帯していこう。排外主義や弱者切り捨てと闘おう。沖縄の人々と連帯して辺野古新基地建設阻止のために全力で闘おう。

③過労死を拡大する労働法制改悪に反対し、真に非正規労働者と正規労働者の均等待遇実現に向けた闘いを作ろう。

④青年委員会運動の発展に全ての労組協力を作っていこう。

地方全労協の活性化に向けて議論を集中し、組織強化につなげていこう。

⑤女性労働者の活躍、全労協への参加拡大へ女性委員会の強化とジェンダー課題の学習、実践を強化しよう。

これらの闘いに全労協各労組は全力で取り組み、来年30回記念大会の準備をしっかりと作っていこう。

事務局長のまとめを受けて採決が行われ、満場一致で活動方針を決定した。