全労協/ 8・10女川から未来を考えるつどい / 全労協新聞 2014年9月号

全労協8・10女川から未来を考えるつどい / 全労協新聞 2014年9月号



脱原発反核闘争

●8・10女川から未来を考えるつどい

原発に頼らない街づくりへ
トーク&ライブに一五〇〇人


市街地の七割を破壊された女川町。津波浸水地域は七mの嵩上げの工事中で、復興公営住宅は一部完成したものの、高台の復興団地造成工事も端緒についたばかりである。遅々として進まない復旧・復興、止まったままの鉄道、原発の再稼働の動き(二〇一三年十二月女川原発二号機の適格性審査を申請)のなかで人口流出と高齢化が進み閉塞感が漂っている。

自宅を津波で失い仮設住宅から脱原発を掲げ、震災の年の二〇一一年十一月、町議選に立候補して初当選した阿部美紀子さんは、「町を再建するのに原発こそが足かせになる。再稼働に多くの町民が不安をもっている。震災で原発が止まっている今こそ、原発依存から脱却する絶好のチャンス」と訴え、一人で手書きのチラシを作っては仮設住宅をはじめ女川町内に配って回っていた。その活動を支えようと近隣の市や町から有志が集まり、この閉塞した状況から抜け出す取り組みを模索し、「女川の現状を知ってもらい、女川の人々を忘れないでほしい。女川に多くの人が集まる企画をしたい。」と、「女川から未来を考える会」を立ち上げ、加藤登紀子さんと京都大学原子炉実験所の小出裕章さんを招いたトーク&ライブを開催しようということになったのである。小出さんは、学生時代(東北大)に女川原発反対運動に参加し、闘いの原点でもある女川への思いは大きい。

被災した方々が一人でも多くつどいに参加できるようにチケット代を一〇〇〇円にし、仮設住宅へのチラシ入れや全国に賛同と支援を呼びかけながら準備を進めてきた。

八月十日当日は、台風の接近で最悪の大雨。しかし強風と大雨に打たれながらも県内をはじめ全国から一五〇〇人の参加があり、感動的なつどいになった。小出さんは、「大学時代女川に住んで原発に反対するビラを浜の一軒一軒に撒いて回ったこと。女川漁協が漁業権を放棄して原発が建てられ膨大な補償金や裏金で町は潤ったこと。福島第一原発の立地町である大熊町双葉町と同じであるが、それらの町は今や無人となったこと。」を語り、「3・11で女川は壊滅的な被害を受けた。大熊町双葉町放射能で汚れ復興できないが、女川は必ずや復興できる。危険と引き換えのカネに頼るのではなく、豊かな海とともに。」と女川をはじめ被災地の復興に思いをはせていた。


女川町の高校生や漁業者、近隣の農業者、母親、住民もマイクを握り、「原発に頼らない街づくりを第一に考えたい。」と話していた。加藤登紀子さんは、トークと十曲を越える歌を披露。観客と一体となったライブに参加者一同が感動に包まれました。このつどいの成功を、女川原発の再稼働を許さない力に変えて行きたいと思う。

(日野正美 宮城全労協/つどい実行委員)