安倍政権の暴走、強権政治を許すな  全労協新聞 2013年12月号 1面から



安倍政権の暴走、強権政治を許すな
法案阻止へ大衆的闘いで国会を包囲しよう


十一月二十六日(火)、政府・与党は午前中の衆議院国家安全保障特別委員会における特定秘密保護法案の強行採決に続き、同日夕方には衆議院本会議を強行開催して同法案を緊急上程して可決した。この秘密保護法案(修正案)は自民党案に公明党、みんなの党、日本維新の会が修正に加わったものである。

この秘密保護法案は私たちのみならず、ジャーナリストや法学者・弁護士、文化人など多くの国民が反対の意思を表明してきたものである。その理由は時の政府の意志によって恣意的に情報が秘密事項とされるばかりか、それを明らかにすることに重罰をかするものであり、人としての基本的権利である「知る権利」を奪うものであり、民主主義る。

安倍首相は「右翼軍国主義者と呼ばれてもかまわない」と自分で述べているように中国、韓国との緊張関係を日米軍事同盟の強化、自衛隊の軍隊化によって解決を迫ることを一貫してとり続けてきたのである。そのために日本版NSC(国家安全保障会議)の設置を急いできた。この日本版NSC設置法も十一月二十七日参議院において可決成立させたのである。国家安全保障会議と秘密保護法は表裏をなしており、日本を「戦争ができる国」としてその体制整備を急いできたものであり、め、来春には集団的自衛権行使を容認する憲法解釈の変更を行おうというのである。

そもそも、「知る権利」とは民主主義を成立させる基礎であり、また、政府による恣意的な情報操作に歯止めをかけるものである。

かつて軍国主義日本では情報は「大本営発表」として一た。事実を指摘して発表報道することは特高警察によって逮捕拷問を受けることであった。政府は国民には「知らしむべからず」として情報の秘匿を行い、国民を一億一丸となって戦争遂行のために駆り出したのである。そして人々に、密告は奨励されるという時代を再び繰り返そうとしているのである。

安倍首相の国会運営と政治手法は確実に強権的なものとなっている。ファッショ的なものとなっている。この特定秘密法案に限らず、国家戦略特区法案や、産業競争力強化法、労働法制の改悪と社会保障切り捨てなど次々に数を頼みの強行が行われている。原子力発電の再稼働も危ういものとなるだろう。いまここで強権政治にしっかりと歯止めをかけることが全体的に必要である。今後、この特定秘密保護法は参議院で審議されることになる。安倍首相は十二月六日までの国会会期末までになんとしても成立を図ろうとしている。参議院でも自民公明党は圧倒的多数派である。この法案を阻止するためには大きな世論の形成と、大衆的な闘いが不可欠である。その大きな闘いで国会を包囲しよう!



(F)