全労協/ 戦争参加法撤廃をめざして闘う / 全労協新聞 2015年10月号

全労協/ 戦争参加法撤廃をめざして闘う / 全労協新聞 2015年10月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より


戦争参加法撤廃をめざして闘う
オール沖縄」の闘いに学び「オール日本」態勢をつくろう
安倍政権の労働法制改悪と断固対決していこう



「戦争参加法案」の参議院採決強行を満身の怒りを込めて糾弾する。

他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とした安全保障関連法案が、五月十五日に国会に提出され、七月十五日に衆議院本会議で採決強行。

そして九月十九日未明、参議院本会議で採決され自公等五党(自民・公明・次世代・元気・改革)の賛成多数で成立した。

この採決は、参議院安保法制特別委員会では地方公聴会報告や総括質疑を行うこともなく、聴取不能、議事録記載不能の状態で強行された。国会の運営ルールをも無視し民主主義を踏みにじる暴挙である。


広がった
戦争法案反対


政府は集団的自衛権の前提条件である新三要件の「存立危機事態」をどう判断するかについては、「総合的に判断する」と繰り返し、「わが国と密接な関係にある他国」も明らかにされていない。専守防衛については、「いささかも変更していない」と繰り返したが、「直接侵略及び間接侵略に対し」(自衛隊法三条)が削除され、新三要件を満たせば自国が攻撃されていないのに反撃できることになっている。

しかも、わが国への攻撃の意思のない国への攻撃も排除しないことも明らかとなっている。

そもそも安倍首相が事例として挙げていた、ホルムズ海峡での機雷掃海は、「特定の国が機雷を敷設することを想定していない」と事実上撤回し、邦人輸送中の米艦防護についても、「邦人が乗っているかどうかは『絶対的なものではない』」と答弁し、その根拠が失われている。

政府は、安全保障関連法案が成立すれば抑止力が高まると強調するが、果たして抑止力が平和をもたらすか。結局、抑止力は世界に緊張を与えるだけではないのか。戦争放棄を定めた憲法九条は、少なくとも戦後七〇年間日本の平和を維持してきた。そして安保法の成立で、日本はどのような国になるのか。

「戦争法案」反対の闘いは各地に広がり、規模も大きくなってきている。学者や市民団体にとどまらず、政治的な活動に無関心だった市民や学生へも運動が広がった。

共同通信社世論調査によると、「十九日に成立した安全保障関連法について『国会での審議が尽くされたとは思わない』との回答は七九・〇%、『尽くされたと思う』は一四・一%。安保法に対する安倍政権の姿勢に関し『十分に説明しているとは思わない』は八一・六%、『十分に説明していると思う』は一三・〇%で、政府対応や採決強行への根強い不満が浮き彫りになった」と伝えている。

ただただ安全保障環境の変化を理由に、「『限定的な集団的自衛権』は必要最小限度の武力行使の範囲に含まれ合憲である」と安倍政権は強弁してきたが、議論すればするほど、様々な問題点や矛盾点が明らかになった。これは廃案しかない。

われわれは、戦争参加法案に反対して闘う労働者、市民とともに、安倍政権打倒、戦争参加法の撤廃をめざし闘い続けることを表明する。

新たな基地建設に反対して闘う沖縄の「オール沖縄」にまなび、「オール日本」で闘う態勢を組織しよう。


派遣法改悪に
怒りの声


九月八日、多くの派遣労働者の不安や懸念に応えず、その七割近くが反対する、「労働者派遣法改正案」が採決された。専門二六業務という区分や業務単位での期間制限を廃止し、派遣先の同一の事業所における派遣労働者の受け入れについて三年を上限とするとともに、派遣先の同一の組織単位(課)における同一の派遣労働者の受け入れも三年を上限とするものである。業務につく人をかえれば、三年以上の派遣社員の使用が可能となり、多くの派遣労働者が、三年ごとに仕事を失うことも危惧される。企業や派遣業者の立場に立つこの法案は、不安定かつ低賃金の派遣労働者を増やすものであり、労働者派遣制度の全面自由化は、派遣労働者の労働条件の切り下げや、地位のさらなる不安定化をもたらすものである。

「世界で一番企業が活動しやすい国」づくりを進める安倍政権と断固対決していこう。