大会議論を集約する中岡事務局長(9月24日)
●全労協第25回全国大会
安倍政権の暴走と闘う
労働運動の前進を確認
全労協第二五回全国大会が、九月二十三日から二十四日の二日間、熱海市で開催された。鈴木副議長の開会挨拶で始まった大会は、議長団に伊藤代議員(全水道東水労)、佐藤代議員(全国一般全国協)を満場一致で選出して議事に入った。
冒頭、金澤議長が挨拶を行い、この間の二回の国政選挙で、民主党政権が崩壊し、自公合せて安定多数となる結果を許してしまったとし、「安倍政権の暴走が加速している現状を打開するには労働運動の前進しかない。安倍政権の『黄金の三年』を許さず、憲法を守る闘い、脱原発の闘い、反基地の闘い、反TPPの闘い等々を結びつけ、われわれ労働者・国民が安心して働き生活のできる社会実現のための努力を、労働運動が担わなければならない。全労協は全力で取り組む」と訴えた。
来賓からは、社会民主党政審会長代理・吉川衆議院議員、新社会党・長南書記長、一坪反戦地主会・山城博治氏、中小労組政策ネット・平賀事務局長、全労協顧問団を代表して山崎元議長から挨拶をいただいた。なお交流会では藤崎前全労協議長の挨拶に加え、二審が大詰めを迎えているJAL解雇争議団から、裁判闘争勝利に向けた決意と支援が訴えられた。
大会は、菊池大会書記長による大会へのメッセージ紹介に続いて議題に入り、中岡事務局長から、経過報告並びに二〇一三年度活動方針案、規約改正案が提案され、さらに、全労協路線組織検討会議が一年半を超える議論を重ねてまとめた「全労協の新たな飛躍に向けて―新「基調と目標」の制定へ―(中間まとめ)」を提起し、加盟組合と組織での議論を訴え、来期の大会で方針として確定していくことを明らかにした。質疑討論は、まず規約改正案に絞って行なったが、直ちに採択に入り満場の拍手で承認された。続いて、諸隈事務局次長から会計決算報告並びに二〇一三年度予算案が提案され、築樋会計監査から報告を受けた。その上で、財政小委員会の設置を確認して、小委員会メンバーによって決算及び予算案の討議が進められた。
議案には二〇人の代議員から発言があり、
②郵政産業労働者ユニオンの日巻代議員は、組織統合から一年を経た大会でいただいた多数の激励への感謝と、新一般職制度は郵政版限定正社員だとし、また改正労働契約法を活用した闘いと簡保が焦点とされるTPPに対する闘い、ストライキでの決起と闘うメーデー再生を訴え、
⑤全国一般全国協連帯労組やまぐち・麻田代議員は、オスプレイに反対する岩国での闘いと、七年にわたって闘っている米軍再編阻止、愛宕山の闘いを報告し、本土に於ける反基地・反安保の闘いを全労協全体の闘いとすべきと訴え、
⑥全国一般全国協東京労組の小金井代議員は、フジビ労組の勝利に向け、社長を徹底追及して闘う決意を述べ、
二日目の議論では、
⑬長崎全労協・中島代議員は、郵政における新一般職は限定正社員にほかならず、こうした攻撃に対して、ストライキを打つことと法改悪を阻止することの二つで闘うべきであり、全労協は全国的な統一組織と運動を創り出すべきだと訴え、
⑭東日本NTT関連合同労組・奥山代議員は、難病の妻の介護のために自宅近くに配転を求める闘い、派遣労働者の闘い、
⑮大阪全労協・前田代議員は、組織強化・運動強化に向けて、オルグ団を結成し実践に入るべきであり、安倍政権や橋下維新の会の背景にある組織的思想的動向について全労協はどう捉えて闘うのか明らかにすべだと訴え、
⑰東北全労協・ふくしま連帯労組・佐藤代議員は、除染による被曝労働に関わる立場から、除染に数兆円もが投じられているが根本的な意味があるのかと問い、一五万を超える避難民の問題をどう政策的に解決するのか、原発によって利益を得た経団連など全資本の内部留保を吐き出させ解決に結びつける、そうした議論を全労協で行い方向性を示すべきだと訴え、
⑱東北全労協・亀谷代議員は、長石の牡蠣養殖支援への感謝を述べ、被災者が補償金以上に求めているのは「被災前の身体と生活に戻せ」ということであり、労働運動として考えなければならない、人が生きる中で「政治」を問うべきであり、そうした「政治」は労働運動そのものという見方を新たな「基調と目標」に反映すべきだと訴えた。
⑲京都総評・佐々木代議員は、京都北部に米軍のXバンレーダーが建設されようとしている。安倍政権の日米軍事一体化と軍備増強を許さない闘いを沖縄と連帯して闘おうと訴えた。
これらの議論を踏まえて中岡事務局長が集約を行い、すべての議案が承認され、金澤議長を先頭に、新たに眞子副議長ら新役員体制が全会一致で承認された。「脱原発」「沖縄連帯」「労働法制改悪反対」が決議され、大会宣言を採択して大会を終了した。
(F)