不当解雇とたたかう日本航空労働者を支える会   全労協新聞 2013年8月号 4面から



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JAL本社に東京総行動で申し入れ(6月26日)


●不当解雇とたたかう日本航空労働者を支える会

9月裁で証
勝利判決に向け運動強化を


五月二十三日(乗員)、五月三十一日(客乗)の口頭弁論では、共に裁判官の交代で弁論更新があり、弁護団から控訴審の主要ポイントが陳述された。

二〇一〇年一月二十一日更生計画の開始時点で管財人は八つのJALの組合に「整理解雇はしない」と明言し、「希望退職、一時帰休、ワークシェア」で整理解雇の回避策を約束していた。しかし九ヶ月後、高年齢者と病欠者を削減目標未達の場合解雇すると突然言い出し、組合側がワークシェアや一時帰休について具体案を示したにも関わらず協議を実質拒否し二〇一〇年十二月末の解雇を強行した。まさに更生計画を利用して「安全運航の実現にむけてものを言う労働組合」の排除を狙った不当労働行為であることが上条弁護団長の陳述で鮮明となった。

証人採用については、客乗裁判は九月十二日(木)午前十時から午前午後で原告三人とCCU副委員長の証人尋問が確定、乗員裁判は山口団長と乗員組合副委員長が決まり(残りは保留)、日程は九月二十六日(木)午前十時からとなった。高裁向け要請はがき等の運動の結果、証人尋問がきまり年内には結審という状況が見えてきた。

原告団と共闘会議は十月二十五日に文京シビックホールで大集会を予定し、勝利判決に向けた運動の強化拡大を目指して、各地のキャラバン行動や要請に回っている。

限定正社員制度導入など解雇自由を狙う政府・経営側の動き許さず、整理解雇の四要件を守り、不当労働行為の解雇を撤回させるため、秋から年末にかけてJAL闘争の強化・拡大が重要だ。

「JAL闘争を支える会」会員の継続・拡大で闘争資金をささえよう。諸行動への一う。公正な判決を求める個人署名も広げよう。

(柚木康子
える会事務局長)



JAL闘争を支える会

証人採用決まる!
客乗裁判4名、パイロット裁判当面2名、
勝利判決目指して更なる運動の拡大にご協力を!


9月12日(木) 客室乗務員控訴審第四期日 東京高裁 101号法廷 10時~16時30分

9月26日(木) パイロット控訴審第四期日 東京高裁 101号法廷、
時間は午前~午後ですが詳細が決まり次第、ご案内します。


10月25日
勝利に向けて大集会「10.25勝利への決意」
18:00開場 18:30開演



●京都総評

JAL稲盛名誉会長
夫人に要請書手渡し

六月二十六日朝から、京セラ株主総会抗議宣伝行動と稲盛和夫名誉会長への申し入れ・要請行動が京都市の京セラ本社前で行なわれた。

これはJALの不当解雇撤回を求める乗員・客乗原告団と「日本航空の不当解雇撤回をめざす京都共闘会議」(JAL闘争京都共闘)が共催したもの。おりしもの豪雨をついて地域の支援労組が結集し、株主に「京セラ創業者の稲盛氏は『利益なくして安全なし』と言って、ジェット燃料費二十万円節約のため台風の雲の中にJALの飛行機を突入させることまでして、いつ大事故が起こるかわからない。『京セラはもうJALと関係ない』とか言ってるが、一方今でも二人の役員を派遣していると京セラの総務の窓口自身が言っている。B787の運行再開強行などで、もし何らかのことが起これば京セラにも無関係でない」という京都の支援労組の役員の訴えに耳を傾け、ビラに熱心に目を通していた。二百枚のビラはまたたくまにはけて不足するありさまだった。

稲盛和夫本人への面会を求めて株主総会会場前である京セラ本社前では三十分近い押し問答。不当解雇から二年半経過しているのに、稲盛氏の誠意は全く見られず両原告団長が東京から来ているのに、「一瞬も出られない」との失礼な返答であった。

稲盛氏の地元の伏見大手筋商店街を山口団長のハンドマイクでの訴えを先頭にモモタロウ支援部隊が繰り出し、道行く買い物客にビラを配布しJAL不当解雇撤回を訴えた。熱心に訴えに耳を傾ける地元の市民も多く、激励の声を熱心にかけてくれる通行人もいた。

そして京セラ株主総会終了のころあいを見計らい、伏見桃山城手前の稲盛和夫宅を両原告団長ら三人の原告が訪問した。

稲盛夫人が快く玄関を開け応対し、「わざわざ東京から来ていただいて。きょうは遅くなると言ってました」と要請書を受け取り、ていねいに見送りにも出てこられた。JAL本社や京セラ株主総会でさえ一度も原告本人と交渉に応じない稲盛氏への要請書が、初めて確実に本人に手渡ることとなり、原告団には確実な一歩を確信できた京都行動となった。



(F)