4/7 「大飯原発再稼働は許さない」大津で市民集会とデモ +京都新聞社説 その2動画

大飯原発再稼働は許さない」大津で市民集会とデモ
 
▼自立労働組合連合の旗は、関西電力前をデモ行進するところで



 
2.京都新聞 社説 
関電の工程表  安全性確保には程遠い
 これで安全性が確保されたと胸を張れるのか。
 関西電力が、大飯原発3、4号機の再稼働に向けて実施する安全対策の計画(工程表)を枝野幸男経済産業相に提出した。
 東京電力福島第1原発のような過酷事故を防ぐため、恒久的な非常用発電機を2015年度に設け、事故対応の拠点となる免震事務棟の設置時期を当初予定の16年度から1年繰り上げる。
 放射性物資を除去するフィルター付きベント(排気)設備の設置や、防潮堤のかさ上げなども含めた安全対策を挙げている。
 だが、基本的には経産省原子力安全・保安院が福島の事故を受けてまとめた30項目の対策に、達成時期などを肉付けしたものだ。
 そもそも30項目の対策自体が、科学的な知見に基づき綿密に練られたのか疑問だ。自治体や住民の不安をぬぐえるとは思えない。
 関電の八木誠社長は「安全性は確保されている」と繰り返し強調している。しかし紙に書かれた工程表を示して安全だと言われても納得しようがない。
 工程表の提出を受け野田佳彦首相と3閣僚は、大飯原発再稼働の是非を再協議した。近く枝野経産相福井県の西川一誠知事らに再稼働を要請する見通しだ。
 だが仮に、フィルター付きベントの設置など重要な対策が完了するまでに再稼働に踏み切るとするなら、その間の備えは、きわめてぜい弱だ。それでも目をつむって見切り発車するというのか。
 再稼働に向けた新たな安全基準は首相の指示から3日足らずでまとめられた。工程表提出も政府の作成要請から3日だった。政府と電力会社が歩調を合わせた、あまりにも手際がよすぎる対応だ。
 関電は他の電力会社に比べ、原発への依存度が高い。再稼働を急ぐ背景には、全原発の運転停止が続けば、今夏の電力不足や、火力発電用の燃料費高騰による経営への影響があるとみられる。
 だが、なぜ再稼働しなければ電力不足になるのかなどについて、原発立地県や近隣自治体に対し根拠となるデータを詳細に示し、理解を求める姿勢に欠ける。
 12日に大飯原発を視察する京都府山田啓二知事と滋賀県嘉田由紀子知事は関電に対し安全協定締結を求めているが、明確な回答はない。事故が起きれば京滋にも深刻な被害が出よう。そうした観点に立った協定締結が不可欠になったのが福島原発事故の教訓だ。
 関電の筆頭株主である大阪市橋下徹市長も、6月の株主総会原発を速やかに全廃する定款変更を求める方針だ。
 関電は立地県と同様、周辺自治体に対しても真剣に向き合い、投げ掛けられた声に応えるべきだ。
[京都新聞 2012年04月10日掲載]

 
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