みやぎ方式水道民営化反対(宮城) / 全労協新聞 2021年8月号

みやぎ方式水道民営化反対(宮城) 全労協新聞 2021年8月号

 


#全労協

 

みやぎ方式水道民営化反対(宮城)

水を食い物にする
水道民営化を許すな


 宮城県は、六月県議会に「みやぎ型管理運営方式」導入の「水道の民営化議案」を提案した。県民説明会は、たった三市で六回だけ。余りにも拙速で、県民に情報が知らされない中で議会提案である。

 「命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ」を中心に「計画変更に対しての再度のパブリックコメントの実施」や「各市町村での説明会を行うこと」を求めた署名活動で一九四四九筆を集め、県議会に「六月議会で拙速に決めないこと」を求める請願を提出したが、建設企業委員会での「継続審議」を求める動議も四対四の同数で、委員長判断で否決された。議会最終日の七月五日の本会議で野党四会派が反対したものの自公などの賛成で可決された(賛成三三、反対十八、退席三)。

 村井宮城県知事は「未来投資会議」で「水道法の改正を是非していただき、事業認可を県と自冶体と事業者と分けて事業認可を与えるようにして頂きたい」と発言、とにかく民間業者のやりやすいようにすることであった。大震災後、漁協の反対を押し切って実施した水産特区での漁業権を民間に開放した事例と同じである。

 県と契約を結び、県営の上下水道の経営権を手に入れようとしている「株式会社みずむすびマネジメントみやぎ」は、メタウォーター社が議決権株式の五一%を保有する子会社であるが、実際の運営とメンテナンスを担う「株式会社みずむすびサービスみやぎ」の方は、ヴェオリア・ジェネッツが筆頭株主(三五%)だと判明、県との契約に縛られないで、県の直接指導も及ばない可能性がある。「株式会社みずむすびマネジメントみやぎ」は二十年間で九二億円もの純利益を上げることを想定している。現状でも、水道料の引き下げ、施設・管路の更新に充てられるのだ。

 県が民営化しようとしている九事業には、内部留保が一六八億二一五九万もあり(内訳は、大崎広域水道七二億三四〇三万円、仙南仙塩広域水道一〇九億七五七万円、三工業用水道小業に三三億四四一七万円、四流域下水道事業に一八億四六四四万円)。これらは全て県民の共有財囲だ。メタウォーターやヴェオリアの食い物にされる「みやぎ型水道の民営化」反対!

電通労組書記長 日野正美)