生徒観戦動員をやめろ / 全労協新聞 2021年7月号

生徒観戦動員をやめろ 全労協新聞 2021年7月号

 


#全労協 

 

東京オリンピック強行開催にNO!


コロナ感染対策と矛盾の
生徒観戦動員をやめろ

 

 今夏に政府やJOC・IOCが強行している東京オリン
ピック。首都圈を中心にコロナウイルス感染状況が一向に
沈静化しない中、学校現場に教育委員会を通じてあっせん
している観戦チケットをめぐり、各地教育委員会で対応が
割れている。

 神奈川県内では既に中井町(なかいまち・県西部)など
で全校の観戦中止を決めている。また、学枚ごとの判断で
はあるものの横浜市でも半数のチケットがキャンセルとな
っている。

 開催の有無もさることながら観客数上限の規制がどうな
るのか不透明な中、横浜の学校現場には市教委から現時点
での「観戦意向」を確認する問い合わせが相次いでいる。
政府はワクチン接和を遮二無二推し進め、何とかオリンピ
ック強行開催にこぎつけようとしているが、世界的に変異
株の罹患率も上がってきているばかりか、すでに訪日して
いる海外選手にもコロナ陽性者が出るなど、オリンピック
の開催が新たな感染拡大につなかるであろうことは明らか
だ。昨年来、学校現場では「感染防止」の観点から行事の縮
小、中止が相次いでおり、オリンピックを観戦するために
感染リスクをわざわざ冒す道理は存在しない。

 県内ではギリギリまで聖火リレーに学校関係者を動員し
ようとするなどの動きもあり、オリンピック観戦の可否
も(一部自洽体を除いて)あくまでも学校ごとの判断に丸
投げしている。

 また、野球開場予定地の一つになっている横浜スタジア
ム周辺では野宿者の排除も始まっており、寿町の仲間たち
横浜市当局に期問中の滞在先と食事について対応するよ
うに取り組みを進めている。開催に伴う人の流れは通常の
プロスポーツのそれとは比ベ物にならず、また海外からの
人の流れも加わる。

 コロナウイルス感染をしない、させないという学校現場
のこれまでの努力に矛盾するオリンピックヘの児童生徒観
戦もさることながら、オリンピックの開催自体、行うべき
ではない。

 (学校事務職員労働組合神奈川横浜支部長 宮澤哲)