最高裁に向け 女たちがアピール / 全労協新聞 2020年11月号

性労働者が積極的に参加できる全労協 / 全労協新聞 2020年11月号

 


非正規労働者差別を許さない

(労契法18条・20条裁判)


 

全労協女性委員会

最高裁に向け
女たちがアピール

 

 十月十三日、大阪医大事件とメトロコマース事件の判決の日を迎えた。この日も女たちの呼びかけによる最高裁南門前の昼行動には八十人を超える参加があり、原告たち五人が差別是正を求める思いを訴え、福島瑞穂議員、上告中のマタハラ裁判原告、十五日に判決を控える郵政二〇条裁判原告、全労連女性部大西さんから発言を受けた。

 大阪医大事件の判決時間が過ぎて大阪高裁が認めた賞与も病欠の賃金も棄却されたという。原告の目かうるんでいた。「不当判決」「司法の役割放棄」の旗が出され弁護団から報告かされた。直ちに女性たちか最高裁は恥を知れ!と抗謙の声を上げた。

 メトロコマース事件の判決はまたまた不当だった。四人の原告か「不当判決」と書いた旗を掲げ怒りのコメント後、弁謨団が報告し再度抗議のコールを行った。判決には「原審の判断は是認することができる」とする宇賀裁判官の反対意見があった。

 記者会見を終えて参院議員会館で報告集会があった。不当判決を受けた原告たちの侮しい思いが語られた。大阪医大事件の原告は「裁判官は二一〇〇万人を超える非正規の何を見ているのか。賞与ゼロはおかしい。苦しい人たちがたくさんいる。非正規は人間ではないと思っているのか」、メトロの疋田さんは「高裁で私たち非正規は四分の一しか価値がないといわれ侮しかったか、今回はゼロ。これでは最低裁判所だ」、加納さんは「人権の最後の砦が最高裁ではないのか。それが微塵も感じられない判決だ」、瀬沼さんは「怒りしか残らない判決とは驚きだ。ここからがまたスタートだ」、後呂さんは「非正規は退職後も生活を破綻させている。私たちは負けたわけではない。司法がおかしい。多くの人が声を出すことが必要。一緒に社会を変えていきたい」と非正規差別をなくす闘いへの思いを語った。非正規差別是正にむけて果敢に闘ってくれた、五人の原告たちには心から感謝だ。

 非正規労働者の七割は女性だ。女性の貧困と子供たちの貧困がコロナ禍で一層拡大している。差別のない侍遇実現にむけ、再度エンジンをかけよう。

 

全労協女性委員会 柚木康子)