非正規差別容認の最高裁判決を糾弾 / 全労協新聞 2020年11月号

非正規差別容認の最高裁判決を糾弾 / 全労協新聞 2020年11月号

 


 
全国一般東京東部労組

非正規差別容認の
最高裁判決を糾弾


 全国一般東京東部労組メトロコマース支部非正規労働者への賃金差別を撤廃させるために闘ってきた裁判の上告審で、最高裁は十月十三日、非正規労働者への退職金の不支給を容認する差別判決を言い渡した。最高裁は今年七月に組合側の上告の大部分を不受理とすることで基本給と賞与の著しい差別を容認する決定をすでに下していたため、この日の判決は正社員の四分の一のみの支払いを東京高裁が認めた退職金の支給の是非に絞られていた。

 これについて最高裁は、退職金は正社員と同額支払うベきだという組合側の上告を棄却し、四分の一という差別的な低額支給どころか非正規労働者の原告らには退職金を一切支払う必要がないと結論づけた。判決文では「正社員としての職務を遂行し得る人材の確保やその定着を図るなどの目的」で退職金は支給されるものだと決めつけた。これでは合理的な理由などあったものではない。要するに正社員だから払う、非正規労働者だから払う必要がない、としか言っていないのだ。

 判決後、裁判所の門前で組合員が「不当判決」の旗を持ち、「非正規二〇〇〇万人の期待を裏切るものだ」と怒りの声をあげた。

 同日に賞与の不支給を容認する不当判決最高裁から受けた大阪医科薬科大学事件の原告・弁護団との共催で開いた報告集会で、組合員は「私たち非正規の価値は四分の一どころかゼロということか。最高裁は最低裁判所だ」と糾弾した。また、東部労組は執行委員会声明を発し、非正規差別を撤廃するまで闘いを断固として続けていく決意を明らかにした。