非常勤の賃金削減救済を申し立て / 全労協新聞 2020年5月号

非常勤の賃金削減救済を申し立て / 全労協新聞 2020年5月号

 


 
大阪教育合同労組
非常勤の賃金削減救済を申し立て

 

二〇一九年十一月、学校法人プール学院は勤務する約五〇人の非常勤講師に対して、二〇二〇年度から最大一四%となる賃金削減を発表しました。また、賃金削減だけではなく、私学共済加入要件の不利益変更なども示されましたが、文書による説明もなく口頭で伝えられるだけでした。一方的な不利益変更に対して、学院との協議を求めて十人を超える非常勤講師が組合に加入し、二〇二〇年二月、三月に団体交渉を持ちました。

 

しかし、学院の組合に対する態度は団交開始前から敵対的なもので、学内での団交拒否、校長でもある理事長の出席拒否など非常に不誠実なものでした。その態度は団交においても変わらず、組合に対する回答をことごとく拒否するものでした。賃金削減については、労使対等の原則のもと、話し合うという態度は全く見られず、肝心の賃金削減を必要とする理由について資料を開示して合理的な説明を行うこともなく、「経営が苦しい」の一点張りでした。

 

非常勤講師によっては、年間で約一カ月分の賃金がなくなるほどの減額であるにもかかわらず、削減後の学校経営立て直しの見通しも示すことなく、この削減によって七〇〇万円の財政効果があると示すのみで、学校運営の多くを担う非常勤講師への誠実な態度も見られませんでした。また、組合との団交の最中に賃金削減は決定したとの通知を全非常勤講師に出すなど、組合軽視も甚だしいものでした。このような学院の態度が続くのであれば、良好で正常な労使関係は築けません。

 

組合は、三月三十日、大阪府労働委員会に学院の不当労働行為救済を申し立てました。

 

(書記長酒井さとえ)

 

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