福島原発 過労死残業代裁判 勝訴 / 全労協新聞 2020年5月号

福島原発 過労死残業代裁判 勝訴 / 全労協新聞 2020年5月号

 


 

全国一般全国協宮城合同労組
福島原発 過労死残業代裁判 勝訴

 

二〇一七年十月二十六日、東京電力福島第一原発廃炉現場で、自動車整備士猪狩忠昭さんが過労死ラインを超える長時間残業を無給で長期間強いられ、勤務中に致死性不整脈で死亡した。

 

二〇一八年七月に未払い残業代請求裁判が福島地方裁判所いわき支部で始まり、十月にはいわき労基署が「長時間労働による過労死」を認定した。

 

そして本年三月二十六日、裁判所は一年十一カ月分の残業代と利子の合計約三二〇万円の支払いを雇用者いわきオールに命じる判決を言い渡した。この裁判と併行して闘っている安全配慮義務違反を問う損害賠償裁判を有利にするであろう。勝利判決の背景には、無念を晴らすための遺族の継続的な闘い、弁護団の緻密な立証活動、遺族をつつむ全国の大勢の支援の仲間、そして証言台でしっかり事実を述べた忠昭さんの同僚の存在がある。

 

残業代を無給にさえすれば、残業時間が長ければ長いほど使用者の利益が増え、反対に労働者の疲労が増し続ける。すなわち無給残業が過労死の原因になっている。過労死をなくすため、無給残業を許さない闘いを進めよう。

 

遺族と私たちは勝利判決を受けて、四月三日に、不払い残業を放置した東電と元請け宇徳に会見申し入れ並びに抗議行動を行った。また、同日、けんり春闘実行委主催の経団連抗議集会に参加して闘争報告と御礼を述べた。翌日にはいわきオールへの団交申し入れといわき駅前での情宣活動を繰り拡げた。

 

全国の皆さま。おかげさまで労災認定に続き、未払い賃金の支払い判決が得られました。これまでの厚いご支援に感謝するとともに、一層のお力添えをお願い申し上げます。

 

(全国一般全国協星野憲太郎)

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