全労協/ 沖縄は勝利します / 新聞 2020年2月号
2020年メッセージ
非暴力・抵抗闘争で沖縄は勝利します
ヘリ基地反対協議会共同代表 安次富浩
全労協組合員のみなさんへ新年のメッセージを送ります。昨年中は辺野古新基地建設反対への多大な支援をいただき深く感謝申し上げます。
辺野古沿岸側の埋め立て予定地へ土砂投下されて以降一年を経過しますが、全埋め立て土砂量の一%も満たない状況です。キャンプ・シュワブ作業ゲート前の座り込みや安和桟橋と塩川港での土砂搬出抗議行動、海上での抗議行動が埋め立て工事の遅延という効果をもたらしています。もちろん、台風などの自然現象や天皇即位やサミットの政治的要因―県警機動隊の県外派遣による警備不足―もありますが。
うちなんちゅの民意は不屈です。突然の翁長前知事の病死(二〇一八年八月)にも関わらず、故翁長前知事の遺志を引き継いだ玉城デニー知事を誕生させました。そして、一九年二月の県民投票では圧倒的な民意を示し、沖縄三区の衆議員補欠選挙(一九年四月)と参議員選挙(七月)では圧勝しました。
日米両政府は沖縄島を要石にした対中国包囲軍事戦略を展開しています。琉球弧(与那国、石垣、宮古、奄美)への自衛隊配備戦略です。
一六年三月末の与那国島への陸上自衛隊沿岸監視隊(隊員六〇〇人、家族九四人は一六年の与那国町人口の一五%)配備を皮切りに、石垣島の地対艦・地対空誘導弾部隊を含む五〇〇〜六〇〇人規模の陸自部隊、宮古島には新設される駐屯地に警備隊三八〇人が配属され、二〇二〇年以降に配備される地対空・地対艦ミサイル部隊と合わせ、宮古島の陸自部隊は最終的に七〇〇〜八〇〇人規模となり、奄美大島には奄美カントリークラブ地区及び節子地区の二地区に警備部隊、中距離地対空誘導弾部隊、地対艦誘導弾部隊の計五五〇人が予定されています。
その軍事戦略は、〇五年の「日米同盟未来のための変革と再編」合意に基づく一〇年の「エアシーバトル構想」(対中国全面戦争を想定)から変更した一二年「オフショアコントーロール戦略」(中国経済封鎖と琉球弧での海洋限定戦争)に沿った配備計画です。
日米同盟は琉球列島を前線基地化(中距離弾道ミサイルの配備計画)し、在沖米軍基地の共同使用と島嶼部では自衛隊が防衛する構想です。辺野古新基地は辺野古弾薬庫の改修と大浦湾の軍港化を促し、V字型滑走路はF‐35垂直離着陸戦闘機及びオスプレイの専用基地となるでしょう。
防衛省は昨年十二月二十五日、辺野古新基地建設を完成までの工期を当初の八年から約十二年へ大幅に延ばす計画見直し案を発表しました。総工費は当初見通しの二・七倍となる約九三〇〇億円。工期の起点は、軟弱地盤の改良工事に伴う設計変更を玉城デニー県事が承認した時点に設定しています。沖縄県が一年前に試算した工期十三年、二兆五五〇〇億円が現実的となりました。
しかし、うちなんちゅの粘り強い闘いは軟弱地盤や活断層問題などを柱に非暴力・抵抗闘争で必ず勝利します。「沖縄の自己決定権」、「基地との共存・共生を拒否する」「勝つまでは諦めない」精神がある限り。
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