全労協/ 甚大な台風被害また、被災者分断か / 新聞 2019年12月号

全労協甚大な台風被害また、被災者分断か / 新聞 2019年12月号


台風災害と労働者・労働組合

災害時だからこそ問われる現場力

公務公共サービスの充実と技術継承を


 

全国一般全国協いわき自由労組

甚大な台風被害また、被災者分断か

 

台風一九号とその後の豪雨によっていわき市は甚大な被害を受けました。

 

市内を流れる夏井川などが複数箇所で氾濫・決壊し、桂書記長宅(三階建て公営住宅の一階)は一・五メートル以上の床上浸水に襲われました。

 

書記長とお連れ合いは着の身着のまま二階に避難し、階段の踊り場で一晩を過ごしました。お二人に怪我はなかったものの、一晩にして全ての家具・家財道具を失いました。

 

被害はいわき市内だけでも床上浸水が四〇〇〇棟以上、平地区などは断水が最大二週間続きました。平、好間、平窪、内郷地区などでは今でも道路や公園に災害ごみが山積みになっています。

 

被災された方の中には、原発事故で避難を強いられた方もいました。台風上陸の十月十二日、豪雨の二十五日両日いわき市全域三四万人に避難指示。三四万人が避難できる場所などあるわけはなく、渋滞で避難を諦めた人もいました。

 

そして「また」、被災者の分断が始まろうとしています。国の被災者生活再建支援法では床上一メートル未満の浸水では支援が受けられず、内堀福島県知事は県独自の支援策を「検討していない」と表明。何もかもがあの3・11東日本大震災後の避難民切り捨ての延長上にあるのです。

 

「またか」といつまでも言っていられません。明らかになった課題に向き合わなくてはなりません。

 

組合員の生活再建に、そして労働組合として何をするのかを全国の皆さんとともに考え、行動していきたいと思います。

 

全国一般労働組合全国協議会 いわき自由労働組合 執行委員 牧野悠)

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