全労協/ 9・19東電刑事裁判・不当判決 / 新聞 2019年10月号

全労協9・19東電刑事裁判・不当判決 / 新聞 2019年10月号

 

脱原発プロジェクト


●9・19東電刑事裁判・不当判決

 

あきれ果てても
あきらめない

 

 東京電力福島第一原発事故の責任を問う刑事裁判の判決が、九月十九日東京地裁で言い渡されました。東電元経営陣三人は全員無罪!の報告に地裁正門前に「有罪」判決を今か今かと集まった告訴団や支援団や埋め尽くす人たちから「ありえない!」「司法の忖度だ!」等、怒りと、侮しさと!震える声か沸き起こり、その衝撃は直ちに全国に伝播しました。

 全国三〇を超える損賠民事訴訟が次々と国・東電の責任を認め、わずかではあっても損害賠慣・慰謝料を認定してきた中で、天王山の刑事告訴の判決が無罪とは。刑事告訴の最大の意義は、これだけの大事故を引き起こし多くの尊い犠牲者が出ている中で「誰も刑事責任を問われないのか」と言う、この国の政府・企業など権力組織に対する疑問と怒りが背景にあるといえます。だからこそ、二〇一二年の告発当初から全国的に注目され支持されてきたのです。

 二度にわたる検察審査会の起訴相当の議決を経て、二〇一七年六月三十日の第一回公判以来、三七回の審議が続けられ、いくつもの重要な証拠・証言が積み重ねられ、民事訴訟にも少なからず影響を与えてきた刑事裁判。判決を前に、全国で事前集会、キャラバン行動等を積み上げて、十九日当日を迎えました。十一時からの正門前事前集会には鈴なりの報道関係者、傍聴券抽選の長蛇の列は最終番号八三二と人の波が地裁周辺にあふれ、判決言い渡しを待ったのです。

 そして、『不当判決・全員無罪』。直ちに弁護士会館講堂での抗議集会、会場は怒りが充満、その一方で法廷では長々と判決の読み上げ。二時間にわたる集会では、JR福知山線事故で家族を亡くした遺族会の方も参加、JR西日本の経営陣の刑事告発でも責任を問えなかった侮しさを語り、全国から駆け付けた避難者をはじめ多くの方々が、侮しさと怒りをかみしめなから発言。講談師神田香織さんの「あきれ果てても、あきらめない」、河合弁護士の「五年一〇年頑張り続けよう」の発言が、今後の指針になるでしょう。

 労働組合として闘いを支援してきた全労協、この刑事告訴裁判の重要さを更に広めながら控訴審に向け、粘り強い闘いを継続していきましょう。

 

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