全労協/ 大椿 裕子 前大阪教育合同労組委員長 / 新聞 2019年8月号

全労協大椿 裕子 前大阪教育合同労組委員長 / 新聞 2019年8月号

参議院選挙を闘って



働く現場から労働運動を通じて
社会を変えていく行動を

大椿 裕子 前大阪教育合同労組委員長


 参議院選挙の結果が出ました。結果は、個人票一五、四四五票で、社民党比例代表四人の内、最下位で落選でした。皆様のご期待に応えることが出来ず、誠に申し訳ございませんでした。ただ、瀬戸際に立たされていた社民党が、政党要件を維持出来たことは、選挙権を持って以来、比例区社民党に投票してきた一有権者として、本当に良かったと思っています。しかし、新たな支持層を広げるための、党の若返りや変革を図るには至らなかったと思うので、今後、これらの課題に早急に向き合うことか必要だと考えております。

 得票数に関しては、無名の新人に対し、一五、四四五人の方々が「大椿ゆうこ」と名前を書いてくださったことに胸が熱くなる思いです。「クビを切られた非正規・ロスジェネ」という当事者性を前面に打ち出し、労働運動のスタイルそのままの選挙運動をやった私を応援してくださった全ての方々に心より感謝申し上げます。得票数が思うように伸びず、党内でも最下位という厳しい現実を前に、私は、政治から見捨てられてきた同世代の人たちや、大企業労組のように、毎回の選挙で組織内候補を立てられるような組織力はないけれど、小さくも地道に活動を続けてきた労働組合の仲間たちに届くような、そして奮い立たせるような選挙運動が出来ていただろうか?と反省しています。

 しかし、解雇され、闘っても原職復帰が果たせず、それでも労働運動を続けてきた私は、「負けたところから学ぶ人生を歩む」タイプだと思うので、今回の「負け」も、自分の血肉にしていくつもりです。

 そして、私を見出し、今回の挑戦に導いてくれた元衆議院議員服部良一さんと、選対のみなさんに心から感謝を申し上げます。服部良一さんが、数年に渡り諦めずに誘い続けてくれたおかげで、私は、自分を何段階も上のステージに無理矢理引き上げなければいけないような、大きなチャレンジをすることが出来ました。このようなチャンスを用意し、そして選挙運動全てにおいて、私のやりたいようにやらせていただきました。社民党服部良一さんという方がいなければ、このような選挙運動は出来なかったと思っています。

 また、[大椿ゆうこを推す会]の皆さんによる制作物・SNSでの発信等は、確実にこれまでの社民党のイメージを変え、社民党自身に変革を求める起爆剤になったことは間違いありません。皆さんのアイディアとチームワーク、忙しさの中にも仲間への感謝と優しさとリスペクトを忘れない温かさを感じながら、選挙運動をさせていただきました。ありかとうございます。

 全国各地でハガキ書き、電話かけ、メガホン隊の練り歩き、集会の企画など、地道な活動を担ってくださったみなさん、そして地方議員のみなさん、本当にありがとうございました。今回の立侯補を機に、仕事も退職しましたので、落選し再び失業者となりました。立侯補するということは、同時に様々なリスクを引き受けることでもありま
す。いろんな人が人生のどこかのタイミンクで、もう少し気軽に政治に挑戦出来るよう、世界一高い供託金を下げたり、休職して選挙に臨める制度を整えたり、組織力もお金もない様々な当事者を、政党がより積極的かつ責任をもって侯補者として擁立していくようになればいいなと考えています。ぜひ、あなたも挑戦してみてください。これまで見えなかったことが見え、わからなかった気持ちが理解できるようになります。

 これからのことは未定ですが、今後も、何らかの形で労働運動に関わり続け、そこから発信し続けていければと考えています。自分の職場をより働きやすい場所に変えていくということは、投票に行くよりも、よっぽど根気が要る、大変なことです。投票率四八・八%の状況では、私たちの足元から変えていくことすら難しい。私は働く現場から、労働運動を通じて、社会を変えていくための「闘う基礎体力作り」を今後も続けていくつもりです。政治にお任せしている内は、変わりません。

私たちから変わりましょう。




選挙を闘って


大椿さん
輝いていました


 安倍晋三が「女性が輝く」という白々しいことを言っていながら、「例外」とも呼ぶベき女性以外は様々な困難な中で生きています。こうした現実に対して、今回社民党が擁立した女性は輝いていたのです。それは逆の意味で「安倍総理のおかげ」だといえます。

 大椿裕子さんは日本労働者の四割、女性労働者の六割を占める非正規労働者を代表して、仲村みおさんは辺野古新基地に反対する沖縄の声を代表してのことでした。この輝く女性たちは選挙を活用して街頭で幅広く声を上げ続けました。しかし、組織が選挙結果を左右する現実の下では、私たちは輝く女性を議会に送ることはできませんでした。

(望月吉春 焼津地域ユニオン)