昨年十二月、近畿地区及び中部地区の教師達を代表するゼネラルユニオンと全国一般東京労組ECC支部とは協議会を設置し、組合員の時給の一〇〇円上積みを要求することで合意しました。この金額は、平均すると月当たり一二、〇〇〇円の賃上げに相当するものです。
一月と三月に行われた団体交渉では、会社側は賃金引上げを始めとする組合の要求に一切応えませんでした。標準的な賃上げも拒み、「全ては会社による評価次第」としたのです。
・各常勤教師につき月当たり三、〇〇〇円増加分の資金を準備する、というものでした(これは、時給に換算すると平均二五円の賃上げとなります)。
・ただし、この資金は均等には分配せず、勤続年数の短い者が長い者より多く上がる、というものでした。
・また、非常勤は含まれていませんでした。
両組合による協議会はその夜、この提案について議論を行い、ECCからのこの提案を受け入れないことを決め、翌日にストライキは決行されました。大阪五二人、名古屋二〇人、東京五二人の組合員がそれぞれの会社本部前でピケットを張りました。約一〇都市にまたがる一二四人の組合員がストライキに入るという、英会話業界の歴史上最大の一日ストライキとなったのです。
・時給一〇〇円を目指す今後の交渉への出発点として、取り敢えず組合員当たり時給五〇円(月額六、〇〇〇円)の賃上げ。
・賃上げは一律。
・非常勤組合員も賃上げ対象に。
五月二日、次のストライキ前の最後となる団体交渉が行われました。そして、「賃上げの分配については今後交渉する」としたものの、会社側はほぼ一〇〇%、われわれの三点の要求を呑んだのです。しかし一つの問題がまだ残りました。会社側は、関東地域での五、〇〇〇円の特別手当を廃止する、と脅していたのです。「この関東の特別手当廃止が行われないことがはっきりすれば、われわれは土曜日のストライキを延期するようにECC支部執行委員会に勧めるが、もしこの脅しが続けば両組合による三地域でのストライキは決行される」と告げて、われわれは交渉の場を離れました。ゼネラルユニオンの組合員はこの手当を受け取っていません。ですから、この通告は両組合間の連帯の明確な表明でした。会社に「二つの組合を分断することはできない」ということを告げたのです。私たちは、常勤と非常勤とを分断しようとする策略とも闘いましたし、地域ごとの組合を分断しようとする策略とも闘います。
この日の交渉が終わってからしばらく時間が経ってから、「関東の特別手当は大丈夫だ」との連絡を東京から受けました。五月三日・火曜日、協議会が開催され、「時給一〇〇円を実現を目指して交渉を続けることを前提に目前のストライキは中止する」ことを決めました。
(ゼネラルユニオン・テソ
ラット
デニス委員長)