全労協/ ゼネラルユニオン「独立自営業者」は労働者だ! / 新聞 2019年11月号
●ゼネラルユニオン(NOVA地裁判決)
「独立自営業者」は労働者だ!
二〇一六年に六人のゼネラルユニオン組合員がNOVAに対して起こした裁判への判決が、九月二十四日に名古屋地方裁判所で言い渡された。
NOVAは六人の組合員との間で「独立自営業者契約」を結び、従業員である教師たちと一緒に働かせていた。同社はこうした教師として働く「独立自営業者」の数を徐々に増やし、労働者としての権利を弱めるようにしてきている。だが、教師たちが本当に「独立自営業者」なのかどうかについての名占屋地方裁判所の判断は違った。
裁判所の見解
1.以下の五つの要囚から判断すると、六人の原告全員は労働基準法上の労働者に当たる(つまり、この六人の「独立自営業者」は実は従業員だった)。
・「独立自営業者」はNOVAの指揮監督下で働いていた。
・仕事の依頼・指示への諾否の自由がなかった。
・勤務場所・勤務時間に拘束があった。
・仕事(レッスン)の量に基づいて報酬が支払われていた。
・「独立自営業者」にも従業員にも兼業は禁止されておらず、この点は判断材料とはなりえない。
2.従って、六人の被告の労働者としての合法的権利である年次有給休暇取得権がNOVAによって侵害されたのだから、この損害は賠償されねばならない。
3.四〇レッスン契約を結んでいた五人の被告の健康保険加入の合法的権利がNOVAによって侵害されたのだから、この損害は賠償されねばならない。
この判決に対して、NOVAが控訴をあきらめるようにゼネラルュニオンは人事部を通じてNOVAの稲古社長との接触を試みた。だがNOVAはゼネラルュニオンと会うことはせず、その代わりに控訴の準備に入った。ゼネラルユニオンはこれに対し、裁判で闘うだけでなく、教師たちに対して彼らの権利を知らせ、またその権利を獲得する術を、組織化と教育とを通じて普及させてゆくことになるだろう。
大手から中小までの語学学校に基盤の一部を持つ労働組合として、われわれは今回の判決がこの業界全体に及ぼす影響に関心を持っている。NOVAのような手□によって僕く者の労働条件を改善しないことが会社間の歪んだ競争に勝ち抜くための□実として、とりわけこの業界には広く蔓延しているからである。ある大手語学会社は、委託契約にすると講師にかかる費用が三〇%程度削減できる、と試算している。われわれは運動を更に進めて、「独立自営業者契約」の最悪のモデルと言われるGABAにおいて労働者の権利を勝ち取ることを目指すことになる。ここでは、教師は全員が「独立自営業者」なのだ。
さあ、心の準備をして、進もう。語学学校での「ウーバー流を葬り去る時が来た。