マイラン製薬に 組合結成で反撃 / 全労協新聞 2016年5月号

マイラン製薬に 組合結成で反撃 / 全労協新聞 2016年5月号



全労協新聞
より


全国一般全国協議会
マイラン製薬労組

マイラン製薬に
組合結成で反撃


米国資本のマイラン製薬はファイザーと業務提携し、二〇一三年一月からMRと呼ばれる営業社員その他の社員をファイザーに出向させていた。三月七日、会社は出向中の営業社員を午前と午後の二グループに分けてそれぞれ「緊急ミーティング」を招集した。

ランディー社長が「ファイザーとの間の商品供給契約は存続。ファイザー本社で活動中の約三〇人の社員たちの出向契約も存続。しかしそれ以外の者(約一五五人)の出向契約は本年三月末で終了する」と発表した。後日判明したが、午前グループ約四五人に対しては、雇用を存続しつつ、系列会社のマイランEPDへ出向先を変更する旨説明してその会場でのサインを指示した。そして午後グループ約一一〇人に対しては「皆さんにはポジションを提供することができません」と宣告して、リクルートの「再就職支援」「特別一時金」などを内容とする「退職パッケージ」を提示した。営業員たちは突然の実質解雇に驚嘆し静まり返ったが、それでも何人かが、「弁護士に相談して法的に問題ないと言われたというがおかしいと思う」「リクルートに丸投げか!」「経営側の責任はないのか」などと抗議した。

会社はミーティングに続き、全国で現場の上司のみとの個別面談を開始して、退職届の効力を持つ「退職パッケージに関する合意書」への署名を求めた。「署名しないと特別一時金も再就職支援もなくなる」と述べて圧力をかける現場上司もおり、回数もすでに三回に達している人もいるくらいだ。

こういう最中の三月二十三日、全国の署名を拒否した労働者たちが団結して、全国一労働組合全国協議会マイラン製薬労働組合を結成した。

雇用と生活を守るために行動を開始し、秋田から兵庫まで全国一五人の仲間が結集している。

日本IBMの社員五人が「業績不良」を理由に解雇されたのは違法だと訴えた裁判東京地裁は三月二十八日、五人全員の解雇を無効だとする判決を言い渡した。裁判長は、「解雇権の濫用だ」と述べ解雇後の給料の支払いを命じた。解雇は自由だとする米国流の手法に歯止めがかかる判決が出た。

企業の都合でなんでもできる、多少金を払えば解雇を自由にすることができる、という米国の手法との闘いがマイラン製薬の大量人員整理との闘いといえる。労働分野を米治外法権にしてはならない。こうした米国流解雇自由は、安倍政権が狙う解雇要件の緩和・少額の金銭解決の先取りでもある。マイラン製薬の一方的で不当な選別に対して、全国一般労働組合全国協議会マイラン製薬労働組合連帯して共に闘おう!