全国一般東京東部労組 多摩ミルク経営者を 労基法違反で起訴 / 全労協新聞 2016年3月号

全国一般東京東部労組 多摩ミルク経営者を 労基法違反で起訴 / 全労協新聞 2016年3月号



全労協新聞
より



全国一般東京東部労組

多摩ミルク経営者を
労基法違反で起訴



法な長時間労働をさせたとして、東京地検は昨年十二月二十四日付で、森永乳業東京工場などの下請けの運送会社である多摩ミルクグループの「株式会社エイチ・ビー・エス」(東京都葛飾区)と同社の小島逸成取締役を労働基準法第三二条違反の罪で起訴しました。

この問題をめぐっては、二〇一四年四月七日付で向島働基準監督署が同社に是正勧告を発していましたが、同社は従わなかったため、全国一般東京東部労組多摩ミルク支部に加盟している同社のドライバー三人が昨年一月二十三日に同労基署に刑事告訴していました。それを受理し捜査していた同労基署は昨年十二月一日付けで東京地検に書類送検していました。

現在、同社だけではなく、前もって残業代を賃金に含んだり、様々な名目の手当を「残業代として支払う」などと就業規則や雇用契約書で定めたりする固定残業代制度を導入する企業が増えています。その結果、残業代がごまかされるケースや何時間働いても定額の手当以上は残業代が支払われないケースが労働相談で相次ぎ、長時間労働の温床となっています。「残業代を払わずに長時間労働させられる方法」などと指南する悪質な弁護士や社労士も後を絶た、「ブラック企業」の常とう手段として悪用されています。

働事件が送検されたり起訴されたりすること自体極めて珍しいことですが、それが今回は送検・起訴にまで至ったということは、それだけ同社の行為の悪質さを捜査当局が重く見たものと思われます。組合は、固定残業代を悪用した長時間労働とサービス残業をなくすために、向島働基準監督署と東京地検が刑事事件として今回立件したことを広く社会的に明らかにするものです。