歯切れのいい浜矩子さんの講演
●橋下・維新に大阪から反撃する講演集会
橋下・維新、安倍自民党と違う
多様性を認め、包摂性のある社会を
一月三十日、大阪全労協が主催し、「橋下・維新に大阪から反撃する講演集会」が開催された。集会は副題に「組合つぶし、教育・福祉切り捨て、原発推進、憲法改悪を許さない」として、橋下大阪市長を代表とする維新の会の政治に対抗して運動を進めている「橋下独裁に反対する在阪七労組」が協賛して行われた。開演前には酒井教育合労書記次長とそのグループによる沖縄の人々に連帯する、三線・ギター演奏が行われた。
集会は二〇〇人を超す結集によって会場は満杯となる中、大阪教育合同・大椿さんと大阪西運送・酒井さんの司会によって進められた。まず、石田大阪全労協議長が主催者を代表して挨拶し、協賛団体から大阪労連書記次長の田所さんが、市役所からの組合事務所追い出し攻撃に対する裁判闘争の報告が行われた。
集会メインにはエコノミストで同志社大学教授である浜矩子さんが「世界経済危機と保守回帰」と題して一時間にわたって講演が行われた。浜教授はグローバル時代とは人・金・物が国境を越える時代に、国を単位とした政策は故郷を越えられないこと。国民国家の存在が脅かされる時代になっており、アメリカ、EU、日本など世界経済危機は同根であり、政治は人々の不安につけ込む大衆迎合と大衆扇動のポピュリズム政治、保守化となっていること、オバマ政権もその例外ではないことが指摘された。
そして、日本の安倍政権の政策の特徴を①五~六十年前の政策をなぞらえる浦島太郎型公共事業であり、②円安神風依存貿易立国、③日銀つぶしの相棒つぶし型介入、④行きすぎた市場との対話により市場に振り回されること、⑤結果としてデフレ下のバブル経済を招き、製品デフレ、賃金デフレ、資産デフレが同時に進行する危険が厳しく指摘された。そして安倍予算は人からコンクリートへ、地方から中央へ、福祉から国防へと逆行していることが批判された。これらに共通するのは子供じみた攻撃性や恫喝的振る舞いであり、橋下大阪維新の会や安倍自民党の姿勢はまさにこの点にある。めざすべき政治・経済の到達点とは、均一性から多様性を認め、排他的なものから包摂性のあるものでなければならず、今こそ成長神話から成熟した社会の構築に向けた舵取りが求められていると提起された。
●大阪教育合同労組
大阪府の団交拒否
三度目の救済命令
昨年十一月、十二月、中労委は、教育合同が臨時講師の雇用継続を求めた団交を大阪府が拒否した事件について救済命令を行いました。「任用は管理運営事項であり団交の対象外」という団交拒否理由を斥けたのです。
団交拒否は、橋下知事時代に始まったものです。その橋下は大阪市長就任とともに「管理運営事項は団交対象外」とする労使関係条例を制定しましたが、中労委命令の射程範囲は労使関係条例にも及ぶものです。大阪府は中労委命令を不服として行政訴訟を提起したため、東京地裁に係属しています。
次に一月二十一日、今度は府労委が、交渉参加者名簿の事前提出がないことを理由にした府の団交を不当労働行為と認定し、教育合同に謝罪文を手交するように命令しました。これに対して府は、今度は中労委ではなく大阪地裁に行政訴訟を提起しました。大阪府が大阪府を訴えたのです。橋下・松井「維新の会」のワルあがきです。教育合同はどんどん大阪府・市を追い詰めていってます。
(山下恒生
大阪教育合同労組副執行委員長)
関連
全労協新聞 2013年3月号 4面から
●大阪教育合同労組(甲南女子大)
雇止め解雇反対で
ストライキ決行
組合はこの間、三回団交を開催しました。団交の中で、大学が臨時職員の就業規則すら作成していないことが発覚しました。しかし大学は「労働条件通知書」なるものをもって、就業規則と同等の効果があると主張し、「雇止め解雇は撤回しない」と頑なに繰り返すのみでした。
組合はこの状況を学生たちにも知ってもらおうと、二月四日に甲南女子大スクールバスステーションにてビラを配布しました。臨時職員の多くが甲南女子大の卒業生であると伝えると、よくビラを受け取ってくれました。
そして後任臨時職員の採用面接が実施される二月七日に、採用面接即時中止と臨時職員の継続雇用を求めストライキに突入しました。
しかし、組合の対応に全く慣れていないのか、担当職員はスト通告を受け取るとすぐさま職場にこもり、二階の窓から時々こちらの様子を伺うのみでした。有期雇用は各大学に蔓延し、四月からの労働契約法改正に向け更に強化してきています。約十五人もの臨時職員の首切りを行う甲南女子大の暴挙を許さず、更に運動を拡大させ、雇止め解雇撤回を目指します。
(大椿裕子 大阪教育合同執行委員)
(F)