全労協/ 広がる橋下大阪市長・維新反対の闘い / 全労協新聞 2014年11月号

全労協広がる橋下大阪市長・維新反対の闘い / 全労協新聞 2014年11月号



全労協新聞

●広がる橋下大阪市長・維新反対の闘い

着実に橋下市長を追い詰め
全国で悪政を食い止めよう


「あんた」「うるせぇ、お前」の怒号で始まった、十月二十日の橋下徹大阪市長と在特会会長・桜井誠との意見交換会の様子には、多くの人たちが衝撃を受けたことでしょう。大阪一のヘイトスピーカーであり、顕著な女性蔑視と、労働組合朝鮮学校弾圧を行う差別主義者の橋下市長が、新大久保(東京)や鶴橋(大阪)を中心に、在日韓国朝鮮人へのヘイトスピーチ繰り返す在特会のトップ・桜井を「差別主義者」と批判する場面はまるで茶番劇であり、虚しさに心が覆われました。そして翌日には、「ヘイトスピーチを止めるなら、特永住資格の見直しを国政課題として維新が引き受ける」と橋下市長は発言しました。結局のところ在特会の土俵に乗り、まるで「在日特権」なるものが存在するかのように更に印象づけた橋下市長の罪は大きい。これが私たちの街の市長・橋下徹です。

また十月十四日には、保育士やケースワーカー等非正規労働者に昇給制度を設ける条例案を提出すると橋下市長は発言しました。更に、派遣法改正には賛成の立場を表明。「非正規雇用を増やすなとか、ばかみたいに言うのではなく、非正規雇用者を非正規雇用者としてしっかり守っていく」と言うのです。大阪府知事就任一年目、三四六人の府立学校非常勤職員を解雇したことなどどこ吹く風。彼に「非正規を守っていく」という気持ちが本当にあるのなら、非常勤講師の雇用継続を求めた大阪教育合同労組との団交を拒否し続けることはなかったでしょう。維新は、「同一労働・同一賃金」法案を国会に提出すると言っていますが、限りなく非正規に近づけた「同一労働・同一賃金」になるのではないかと末恐ろしい思いです。

奇をてらった橋下市長の言動は相変わらずですが、私たちは着実に橋下市長を追い詰めて来ています。十月八日、エルおおさかで開催された「安倍さん、橋下さんもうゴメン!10・8集会」では、主に橋下維新に異を唱える市民二六団体のリレートークが行われました。カジノ誘致、「慰安婦」発言、朝鮮学校の補助金カット、市民の足・赤バス廃止、入れ墨調査問題など、次から次へと市民の訴えが続き、その闘いの様子が報告されました。中でも、大阪市労働組合(市労連)の報告には力をもらいました。「思想調査アンケート」問題では、市労連が中労委で勝利命令を獲得。橋下市長は、行政訴訟提案を行ないましたが議会で否決となり中労委命令は確定、自ら組合に謝罪文を手交することとなりました。国賠訴訟も提訴されています。「組合事務所退去」問題では、大阪地裁により大阪市違法性が認定されました。また、大阪教育合同労働組合大阪府・市の団交拒否事件計九件を、それぞれ労働委員会、裁判で争っています。大阪府による二〇一〇・一一年度非常勤講師雇用継続団交拒否事件は、中労委、東京地裁東京高裁で組合が勝利。現在、最高裁に進み、来年には判決が出ます。私たちは、着実に橋下市長を追い詰め、大阪から全国化した悪政の数々をここで食い止めます。

(大椿裕子 大阪教育合同労働組合副執行委員長)