人間らしく働き、生活できる社会を
厳しい状況の中で労働運動の真価が問われる13春闘
労働者派遣法抜本改正、有期労働契約規制強化の闘いを
13年春闘がいよいよ本格的にスタートした。
経団連の春闘方針「二〇一三年版経営労働政策委員会報告」は、経営環境の悪化が続くなかで競争力を強化するために、①円高の是正、②経済連携の推進、③法人税の軽減、④社会保障制度改革、⑤エネルギー・環境政策の転換、⑥労働規制の見直しなどについて一刻も早い政策転換が必要だと主張している。
このなかでも労働法制ヘの対応として、総額人件費の適正管理の重要性を主張しつつ、労働法制の規制緩和や六五歳までの就労確保などによる定期昇給制度の見直しなどを指摘し、「企業の存続と従業員の雇用の維持・安定が最優先」と強調している。
また、地域別最低賃金について「目安額を大幅に上回る額で結審する地域が多くなっており、目安制度が大きく揺らいでいる」と指摘し、地域別最賃が「大幅に引き上げられていることにより、水準が地域別最賃を下回るケースも出できている。七割以上の地域で使用者全員が反対している事態となっていて、その役割・使命を終えたものとして速やかに廃止すべきである」と主張する。
よって、「ベースアップを協議する余地はない、給与総額の一%引き上げは実態を無視している、定期昇給の延期や凍結も協議せざるを得ない」としている。
こうした経営側に対して、消費税増税などでますますわれわれの生活の厳しさが予測されるなかで、電気、自動車などの大産別は賃上げ要求なしで理解を示す。
その元凶ともいえる労働者派遣法の抜本改正を求めて闘ってきが、経団連を中心とする規制緩和要求の動きは、3・11東日本大震災などを口実に、「雇用機会の拡大には派遣の活用を!」と煽り立て二〇一二年十月から改正労働者派遣法が施行された。加えて二〇一三年四月からは改正労働契約法が施行される。われわれの闘いが至らず非正規労働者の処遇が改善されなかったばかりか、有期雇用は五年までということで三月末に大量の「雇い止め」が起こるのではないかと懸念される。
厚労省平成二四年版労働経済の分析(労働経済白書)では、「非正規の常雇が増加し、家計を支える非正規雇用者も増加する中、その家計は余裕がなく結婚や子どもの数などにも影響」を及ぼしている。「国内需要の大きな割合を占める家計消費を押し下げている最大の要因は所得の低下である。近年において、マクロ的には必ずしも労働生産性の上昇に見合った所得の増加がみられていない。こうした所得の増加がみられていない要因としては、主に非正規雇用者の増加によるものであり、また、非正規雇用者の増加が低所得者層の増加」につながっているとしている。今まさに、労働者派遣法の抜本改正を求める新たな闘いと有期労働契約の規制強化への闘いなど労働法制への取り組みが求められている。
厳しい状況の中で労働運動の真価が問われている。人間らしく働き、生活できる社会の実現のために、総資本と対決する闘う春闘の大きな拡がりを作りださなければならない。
▲要請文受取り拒否に抗議の声(2月15日)
●13けんり春闘第一波行動
13春闘勝利へ
経団連要請行動
強い風雨と厳しい寒さの中、生活を守るためには賃金引き上げが必要であること、また、原発の再稼働やTPP参加は認められないことを経団連に対して訴える集会を開催した。集会は金澤共同代表の挨拶を受けた後、キャノンユニ二オン・阿久津さんから勝利報告、郵産ユニオン・須藤さん、JAL乗員原告団長・山口さんから闘いの現状報告を受け、要請団を拍手で送り出した。要請団は全港湾・鈴木中執、全国一般東京東部労組・須田書記長で編成されたが、経団連は今年も門前にガードマンを配置し、要請文さえ受け取らないという暴挙を繰り返した。
集会はその間も全造船・横須賀ユニオンの小島、稲葉さんが有期労働者の闘いを報告し、東水労・諸隈副委員長は公務員職場の闘い、国労高崎・須藤委員長がJRでの春闘の取り組みを報告し、東京労組・原さんから脱原発労働者集会の呼びかけが行われた。
全港湾鈴木さんの要請団報告を受け、東部労組・菅野委員長の音頭でシュプレヒコールにより抗議を全員で行い、大阪ユニオンネット垣沼代表の団結ガンバロウで締めくくった。
経団連の不遜な態度は全く許すことが出来ない行為である。
13春闘勝利に向け、更に団結を固め、全力で闘おう!
(F)