全労協/ 安心して働ける職場の再構築を! / 新聞 2019年2月号

全労協安心して働ける職場の再構築を! / 新聞 2019年2月号


19けんり春闘勝利に向けて!

安心して働ける職場の再構築を!
幾層にも固定化されようとする労働者の分断と差別を許さない!
市民、住民と連帯して闘おう!


 19春闘を前にして厚生労働省が発表してきた毎月勤労統計に不正確な集計が十数年にわたって行われていたことが判明した。アベノミクスの成果を粉飾するために用いられてきた統計が実は不正確なものであったのである。従業員五〇〇人以上規模の事業所は全て調査の対象であるにもかかわらず、東京都内の調査はその三分の一しか対象としておらす、また、この期間の記録・資料は廃棄されているというのである。労働経済白書など議論の素材となる統計調査にも大きな疑問がわいているのである。記録が残っている期間を復元されたものによると、政府がアベノミクスの成果として発表していた賃金上昇率三・三%は正確にはO・五%も高く、二・八%に過ぎなかったことも明らかとなっている。そして失業手当や労災給付金などで二〇〇〇万人近い労働者か不利益を被っていたのである。

 この数年、安倍首相は春闘を前に経団連に対して具体的な数宇を上げて賃上げを要請してきた。官製春闘と言われる実態を作ってきたのである。しかし、この間大企業は賃上げではなく利益を内部留保としてため込み、一部を株主へ配当として還元するものの、労働者には賃金引き上げとして分配することを拒否してきたのである。さらに低賃金・無権利な非正規労働者を拡大させてきたのである。

 一方、政府・財界は深刻な人手不足については根本的な対処を行わず、安心して出産子育てができる労働環境を整備することもなかった。そして外国人労働者の新たな受け入れ資格を作り、日本人非正規労働者よりさらに低賃金・無権利の外国人労働者を導入して急場をしのこうとしているのである。今年四月から実施するために、国会審議では強行採決を重ねて入管法を改訂した。この法律には受け入るために必要な労働環境・生活環境の整備について具体的規定や指針は示されておらず、技能実習制度に於いて露わになっている実習生の奴隷労働状態が拡大し再生産されることになろうとしている。日本の労働者は大企業正社員労働者、中小零細企業労働者、女性労働者、高齢労働者、非正規労働者に加えて外国人労働者というように分断と差別が幾層にも固定化されようとしている。こうした分断を拒否し差別を許さない闘いが求められている。

 19春闘は安心して働ける職場を再構築するとともに、零細企業労働者、非正規労働者外国人労働者など厳しい環境に置かれ、最下層で苦闘している労働者と連帯する闘いが求められているのである。私たちはそうした闘いを実現できる組織へと脱皮すること、また、広範な市民運動住民運動との幅広い連帯を実現して闘い抜かなければならない。

 長時間労働、ハラスメントの根絶、最低賃金大幅引き上げを実現させる闘いに全力を挙げて19けんり春闘に勝利しよう。


19けんり春闘予定

2月15日(金) 東京けんり総行動・経団連要請行動
2月16日・17日 西日本春闘討論集会(徳島)
3月 3日(日) 外国人労働者の権利のための総行動(マーチ・イン・マーチ)
           (上野水上音楽堂)
3月15日(金) 神奈川春闘共闘統一行動
4月 5日(金) 19けんり春闘中央総行動